蓮佛美沙子×小野花梨、吉田羊に“完全同化” 『きれいのくに』の“分からない”面白さ

『きれいのくに』の“分からない”面白さ

 第2話のラストでは、恵理が33才からさらに23才の恵理に若返る。その若返りをはっきりと認識している宏之には愛情よりも恐怖心が芽生え始めている。注目は3人1役となった、この異様な状況だ。ベースとなる43才の恵理を、吉田羊、蓮佛美沙子、小野花梨が数珠繋ぎに演じている。見た目は若いが、その所作は43才。宏之の言葉に呆れる小野の表情がそのことをはっきりと物語っている。

 少しづつ物語の片鱗が見え始めた『きれいのくに』だが、脚本を担当する加藤拓也は公式サイトのブログで「1話だけでわかるようにしてたまるものかと変な意地を張り2話でもわからず、じゃあいつわかるんだと言われると全8話ですと答えざるを得ない感じになっております」と記している。全容が分かるのはまだまだこれからだ。

 第3話では物語が本章へ。若者以外の大人のほとんどが同じ男(稲垣吾郎)と女(加藤ローサ)の顔をしている世界に、誠也(青木柚)と凜(見上愛)、さらに小野田(吉田羊)といった人物も登場する。第2話までの物語とどのようにリンクしていくのかにも大いに注目したい。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
よるドラ『きれいのくに』
NHK総合にて、毎週月曜22:45〜放送【全8回】
出演:吉田羊、蓮佛美沙子、平原テツ、小野花梨、橋本淳、加藤ローサ、青木柚、見上愛、岡本夏美、山脇辰哉、秋元龍太朗、稲垣吾郎
作:加藤拓也
音楽:蓮沼執太
制作統括:訓覇圭
プロデューサー:小西千栄子 高橋優香子
演出:西村武五郎、鹿島悠、田中陽児、加藤拓也
写真提供=NHK

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