若葉竜也×穂志もえか×古川琴音×萩原みのり×中田青渚が語り合う 映画『街の上で』座談会

映画『街の上で』キャスト5人による座談会

5人のお気に入りのシーンは?

ーーでは他の4名は“仕掛けていく”立場だったということですよね。4人の女性のキャラクターも三者三様でしたが、個人的には萩原さん演じる町子が一番謎が多いキャラクターでした。

萩原:面白いのが、作品を観た方たちの中で、謎だと思うキャラクターがみなさん違うんですよね。町子はむしろわかりやすいって言われがちなんですけど(笑)。

ーーぱっと見一番わかりやすいんですけど、果たしてそれが本心なのかどうなのか、一番引っかかるキャラクターが町子でした。

萩原:へー! 面白いですね。たぶん、いままでどういう人に出会ってきたか、どういう人生を送ってきたかで、この映画の見方も変わるんだと思います。

若葉:手前味噌ですけど、むちゃくちゃ面白い映画ですよね。映画の温度がすごくいい。僕は“熱すぎる映画”があまり好きじゃないんですけど、温度感も自分の好みの温度になっていて。あと、監督の人間的にダメな部分が映画を通してすごく良く作用した気がします。

一同:(笑)。

若葉:今泉さんって本当にダメな人間だと思うんですけど、そういうダメな監督、ダメな人間だからこそ撮ることができる、日常を掬い取るような映画があるんだなと。いや、僕も人のことは言えないですけど(笑)。

穂志:私も作品を観たときに、たくさんの人に愛される作品になるだろうなと確信しました。私自身はもう本当にガチガチだったので(笑)、どう見せるかを計算したり、ここでこうしようみたいなことを考える余裕もなく、ただ一生懸命やるしかなかったので、個人的には反省点もあるんですけど、そのガチガチな感じが雪の不器用さとマッチして、結果としていい感じになったのではないかなと(笑)。若葉さんが核となって、自分を含め若手女優が自由にやらせていただき、素晴らしい映画が出来たんじゃないかなと思います。

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古川:私は、完成した映画を観たときに、もちろん台本は読み込んではいるんですけど、「どこまでセリフで書いてあったっけ?」って思うぐらいリアルなシーンがいくつもあったことに、自分自身ビックリしました。本当に下北沢に住んでる人たちを撮ったような映画になっているので、『街の上で』という題名もそうだし、下北沢で撮った意味も強く感じることができて、すごくいい映画に出られたなと思いました。

萩原:なんてことない話だし、なんてことない人たちなんだけど、こうやって作品になってスポットが当たることによって、こんなに愛おしくなるんだなと感じました。この作品に関わってから、ちょっとした出会いが楽しくなったし、もしかしたら二度と会わないかもしれないような人との間で生まれた会話が、少し大事に思えるようになりました。そうやって、自分の中の気持ちが何かちょっとだけ変わる、素敵な映画です。

中田:私は初めてこの映画を観たのが下北沢映画祭だったので、他のお客さんたちと一緒に味わうことになったんです。「大丈夫かな」っていう不安もあったんですけど、お客さんたちがすごく楽しそうに映画を観ていたので、安心したのが一番でした。私は自分が演じたイハに見せる青の表情しか知らなかったけど、完成した映画を観たら、青が他の人に見せる表情が全然違っていて。すごく当たり前のことですけど、知ってる人の知らない顔を知ることができる、映画ならではの面白さを感じました。

ーー自分が出演していないシーンで特に印象に残ったのはどのシーンですか?

中田:私は雪のことがすごく好きになりました。共演したシーンでいうと、全員が集合して雪が自転車でバーって行っちゃおうとするんだけど、うまく自転車に乗れないイメージがすごくあったんです。でも雪は、青と2人でいるときはすごくかわいらしい感じになるじゃないですか。終盤、青の家の玄関先でのやりとりなんて、まるで自分に言われたかのような気持ちになってしまう(笑)。あのシーンがすごく好きですね。

穂志:私はいっぱいあるんですけど、青とイハの長い会話のシーンが素敵だなと思いました。控え室とかで見ていたお2人の距離感というか、いい意味でそのまんまな感じがあって、とてもナチュラルでよかったです。「カメラ回ってるの知ってる?」っていうくらい自然でした。

古川:私も穂志さんと一緒で、イハと青の2人のシーンがすごく印象に残ってます。それこそさっき言った、どこまで台本でどこまでアドリブなんだろうみたいな感じになったのがあのシーンで、2人の心の距離がじわじわ縮まっていく様子がすごくリアルで面白いなと。2人を観察している気分になりました。

若葉:僕はザ・スズナリのシーン。ルノアール兄弟の左近(洋一郎)さんが警察官役をやっていらっしゃるんですけど、それがめちゃくちゃ面白くて。本当、何年振りかに本番中に吹き出しそうになって。もちろん耐えますけど、めちゃくちゃ面白かったですね。今泉さんの本もあるし、あの左近さんの独特な空気感とかもあるし、本当に面白かったんですよね。あのシーンは大好きです。

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萩原:どのシーンも一生見ていられるというか、本当にある会話の一部を見ているような、この後も喋っていてほしいなって、どのシーンを見ても思いますね。あと女性陣全員、各々の個性が違いすぎて、どう頑張っても私は他の3つの役はできないんですよね。映画を観ていてすごく羨ましいなとも思ったし、素敵だなと各々に思いました。

ーーじゃあ最後に締めとして、作品への思いやこの作品を通して得たものを教えていただけますか。

若葉:この映画もそうですけど、今泉さんの映画って、誰も成長しないんですよね。ただ、そこに人が生きてるという。僕にとって、そこが今泉さんの映画のすごく好きなところで。だからこの映画をやって自分の世界観が何か劇的に変わったというわけではないけれど、例えば、すごくお気に入りのキーホルダーを一個手に入れたような、そんな気持ちにはなりましたね。

萩原:これ以上のこと言えないので、もうやめにしませんか(笑)。

一同:(笑)。

ーーありがとうございました(笑)。

■公開情報
『街の上で』
新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋⾕ほかにて公開中
出演:若葉竜也、穂志もえか、古川琴音、萩原みのり、中田青渚、成田凌(友情出演)ほか
監督:今泉力哉
脚本:今泉力哉 、大橋裕之
音楽:入江陽
主題歌:ラッキーオールドサン「街の人」(NEW FOLK / Mastard Records)
配給:『街の上で』フィルムパートナーズ
配給協力:SPOTTED PRODUCTIONS
(c)『街の上で』フィルムパートナーズ
公式サイト:https://machinouede.com/
公式Twitter:https://twitter.com/machinouede
公式Facebook:https://www.facebook.com/machinouede/
公式Instagram:https://www.instagram.com/machinouede/

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<応募締切>
5月2日(日)

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