山崎育三郎が見せる2つの笑顔 『殴り愛、炎』に浮かび上がる“異様さ”

『殴り愛、炎』山崎育三郎が見せる2つの笑顔

 光男の母・良枝(石野真子)は例に漏れず息子大好きで、秀実や彼女の家庭環境に対して厳しく当たる。前編では、秀実のひとり親の父親に対して、「毎日工事現場で働く頑張り屋のお父さんはスーツを持ってるのかしら?」ととんでもない偏見たっぷりの嫌味を言って後味の悪さを残したが、後編ではもう少し登場シーンが多くなりそうで、さらに嫌〜な余韻を残していってくれそうだ。

 歪な明田総合病院の家族関係が多かれ少なかれ、最近顔を覗かせ始めた光男の“心の闇”にも繋がっているのだろうし、また秀実の心が光男から離れていったのもたまたま初恋の相手・信彦が現れたからだけではないのだろう。前述の“カルテ”の存在から知ってしまった光男の秘密について秀実が何を思ったのかも気になるところだ。

 「殴り殴られ殴り合い。愛の炎は歪に燃え上がり、全てを焼き尽くすのです」という最後のナレーション通り、後編に明田家が抱える秘密など色々なものが炙り出され、様々な人の思惑や嫉妬を燃料に、この炎がどこまで燃え上がるのか、また焼き尽くされたその先に何が残るのか。“怖いもの見たさ”で結局覗いてしまいたくなるのをやめられそうにない。

■佳香(かこ)
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで劇場鑑賞映画本数は年間約100本。Twitter

■放送情報
『殴り愛、炎』
テレビ朝日系にて放送(※一部地域を除く)
【後編】 4月9日(金)23:15~24:15
出演:山崎育三郎、瀧本美織、酒井若菜、永井大、市原隼人
脚本:鈴木おさむ
ゼネラルプロデューサー:横地郁英(テレビ朝日)
プロデューサー:川島誠史(テレビ朝日)、菊池誠(アズバーズ)
演出:樹下直美
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日
(c)テレビ朝日

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