遂に『ブラック・ウィドウ』まで! 米ディズニー、マーベル映画も劇場公開と同日配信を決定

遂にマーベル映画も劇場公開と同日配信に

 ここまで挙げてきた作品に関して、『あの夏のルカ』の劇場公開がアメリカと同様に見送られて、ディズニープラスで6月18日に配信される(https://disneyplus.disney.co.jp/news/2021/0325_01.html)こと以外、本日3月26日時点でウォルト・ディズニー・ジャパンからの正式な発表はない。公式ページでの『ブラック・ウィドウ』の公開日がまだ4月29日のままであることから、本国の度重なる方針変更に翻弄されている社内の混乱がうかがえる。ちなみに、国内の各大手シネコンは、本国のディズニーからの発表がされた直後に公開予定作品の項目から『ブラック・ウィドウ』の情報を消去している。日本における新作映画のディズニープラスでの同日配信の諸問題については、前回のコラムで詳しく書いたので参考にしてもらいたい。今回自分が驚愕したのは、それが遂にディズニーにとって世界的な超ドル箱であるマーベル作品にまだ及んだことだ。

 ちなみに、先週末9位までランクを落とした『ラーヤと龍の王国』の興収は、3月21日までの17日間で2億2195万9850円という、ディズニーの新作アニメーション作品として、目を疑わずにはいられない成績だ。もしこのままの全興連との関係が続けば、『クルエラ』も『ブラック・ウィドウ』も同じ条件での公開になる可能性もあるということだ。

■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「集英社新書プラス」「MOVIE WALKER PRESS」「メルカリマガジン」「キネマ旬報」「装苑」「GLOW」などで批評やコラムやインタビュー企画を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)、『日本代表とMr.Children』(ソル・メディア)。最新刊『2010s』(新潮社)発売中。Twitter

■公開情報
『ブラック・ウィドウ』
4月29日(木・祝)公開
監督:ケイト・ショートランド
出演:スカーレット・ヨハンソン、レイチェル・ワイズ、フローレンス・ピュー、デヴィッド・ハーバー
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)Marvel Studios 2020

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