竹内涼真と滝藤賢一の対照的な愛の姿 『君と世界が終わる日に』S1の着地点が意味するもの

『きみセカ』が映し出した対照的な愛の姿

 地上波ゴールデンタイム初の本格ゾンビサバイバル『君と世界が終わる日に』(日本テレビ系)。Season1最終話では、本作を貫く普遍的なテーマが姿を現した(以下、ネタバレを含む)。

 三浦半島を舞台に繰り広げられた物語は、横須賀駐屯地で第1部の幕を下ろした。首藤(滝藤賢一)が研究していたのはワクチンではなく、首藤は計画を邪魔した響への復讐に執念を燃やす。首藤に従う来美(中条あやみ)も響に銃を向けるが、弾丸はかろうじて頬をかすめた。御前崎(宇野祥平)が見つけたメモからシェルター「希望の家」の存在を知った一行は、迎えの船が着く倉浜港を目指す。

 長い時間が経ったようにも、あっという間だったようにも感じる。10回にわたる放送で、響たちは多くの犠牲を払いながらも、なんとかここまで生き延びてきた。序盤の宇和島(笹野高史)、本郷(大谷亮平)に続いて、ミンジュン(キム・ジェヒョン)も逝き、当初からいるメンバーは、響のほかに佳奈恵(飯豊まりえ)、甲本(マキタスポーツ)、紹子(安藤玉恵)と結月(横溝菜帆)となった。ここに、戻ってきた等々力(笠松将)と自衛官の桑田(浅香航大)、勝利(田中奏生)が加わった。

 生きていることの重みを実感する間もなく別れが訪れ、響の姿がないことに一行は気づく。響を知る仲間たちは、来美の元へ向かう響を引き留めなかった。結月や佳奈恵の言葉に響も「離れていても俺にとっては家族です。こんな世の中で会えたのがみんなで本当に良かった」と返す。寄せ集めの集団は、いつしか本当の家族のようになっていた。

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