『天国と地獄』それぞれが“あるべき姿”を取り戻すラストに 綾瀬はるかと高橋一生に拍手

『天国と地獄』綾瀬はるかと高橋一生に拍手

綾瀬はるか、高橋一生の演技力に拍手

 「じゃあ、お元気で」「あなたも」その声の違いに、「!」と思わず息を飲む。満月の夜、あの歩道橋の上で、あの丸石を持って再会した2人は、またもや入れ替わってラストを迎えた。

 先の入れ替わりが「兄弟の間違いを正してほしい」という日高の母の願いだったとすれば、今回の入れ替わりは「お元気で」で縁が切れないようにという、母の粋なはからいか。それとも「高橋一生のヒロインっぷりと、ダークヒーロー感漂う綾瀬はるかを、まだまだ見ていたい」という視聴者の想いが届いたのか。それとも脚本家・森下佳子という“母”の願いだろうか。

 この3カ月間、すっかり私たちは2人の演技力に魅せられた。衝動的で放っておけない彩子(高橋一生)の可愛さに悶たり、クールに壁ドンをする日高(綾瀬はるか)の色気にゾクゾクしたりと、実に楽しい3カ月間だった。9話で、それぞれの魂があるべき場所に戻ったときには、むしろ違和感を抱くほどだったし、「あの2人はもう見られないのか」と寂しさを感じたほど。

 そして、日高を想い目を潤ませて説得する彩子に扮した綾瀬の迫真の演技も、その愛に触れて日高の瞳から涙が溢れ落ちる高橋の繊細な演技も、動と静のコントラストが実に美しかった。森下作品に出演するごとに、新たな魅力が開拓されていく綾瀬はるかと高橋一生。また新たな作品で、彼らの演技力に驚かされる日が来ることを願っている。

■放送情報
日曜劇場『天国と地獄 ~サイコな2人~』
TBS系にて、 毎週日曜21:00~21:54放送
出演:綾瀬はるか、高橋一生、柄本佑、溝端淳平、中村ゆり、迫田孝也、林泰文、野間口徹、吉見一豊、馬場徹、谷恭輔、岸井ゆきの、木場勝己、北村一輝
脚本:森下佳子
編成・プロデュース:渡瀬暁彦
プロデュース:中島啓介
演出:平川雄一朗、青山貴洋、松木彩
製作著作:TBS
(c)TBS

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