高嶋政伸、忍成修吾ら“悪役俳優”に共通項? 黒幕のキャスティングが作品のカギに

高嶋政伸、忍成修吾ら“悪役俳優”の共通項

 監視カメラやGPSなどの最新鋭のシステムを駆使した科学捜査で、ゾディアックやユナボマーといった世界の犯罪に残る事件を模倣する犯罪者たちを追い詰めていく日本テレビ系列の土曜ドラマ『レッドアイズ 監視捜査班』。現代的な装置と犯罪心理学的アプローチが両立されたストーリー運びに、推理サスペンスとしてもアクションとしても見応えのある娯楽性の高さ、そして物語の主な舞台となる横浜のロケーションを存分に活かした見せ方など、良作ぞろいの今期の民放連ドラのなかでもとくに期待を大きく上回る出来栄えと言っても過言ではないだろう。

 物語は“青いコートの男”によって恋人を殺害され、捜査一課の刑事を辞めて探偵業を営んでいた亀梨和也演じる伏見が、松下奈緒演じるかつての同僚・島原から、神奈川県警に新設されたKSBC(神奈川県警捜査分析センター)の特別捜査官として呼び戻されることから始まる。伏見は手を貸すための条件として、探偵事務所のメンバーである“元犯罪者”たちも特別捜査官として加えることを提案。そして彼ら4名とKSBCのやり手捜査官たちが、高度な知能と身体能力を駆使して次々と事件を解決していくのである。

 これまでのエピソードでは、島原の夫と妹や、元自衛官である湊川(シシド・カフカ)の幼い息子など、KSBCのメンバーの身内が狙われたり、もしくはメンバー本人が関係する事件が描かれてきた。そしてそれらの事件の犯人たちの影に、“先生”と呼ばれる人物の存在が見え隠れする。そうしたなかで意味深な登場を果たしたのが、高嶋政伸演じる心理カウンセラーの鳥羽和樹という人物だ。夫を殺害されたことで精神的なショックを受けた島原が、刑事部長から命じられて鳥羽の元にカウンセリングを受けにいく。しかしその時点で鳥羽は、伏見が探し続けていた“青いコートの男”と同じ特徴を持つ人物であることが明示されているのである。

 高嶋といえば、『HOTEL』シリーズ(TBS系)に代表されるように、90年代から2000年代ごろにかけては“善人キャラ”としてのイメージがあまりに強い俳優のひとりだったが、近年では180度方向転換をし、すっかり悪役俳優としての地位を確立しつつある。しかも『TWO WEEKS』(カンテレ・フジテレビ系)のようにわかりやすく狂気をはらんだタイプから、単に主人公の敵役としてのポジションであった『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)まで、ひとくちに“悪役”と括ってもそこにいくつものバリエーションがあることを証明する巧みな演じ分けを見せているのだ。

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