ザック・スナイダー版『ジャスティス・リーグ』で関心が集まる、日本の「HBO Max問題」

日本の「HBO Max問題」

 ザック・スナイダー監督本人もこの状況には業を煮やしているようだが(参照:Zack Snyder Criticises International Distribution for Justice League - IGN)、アメリカ国外では国ごとに対応が異なることが予想されていて、その詳細はまだ明らかにされていない。そもそも、日本ではHBO Maxの母体であるHBO自体がサービスを行ってこなかったこともあり(一部のHBO作品はスターチャンネル、Amazonプライムなどを通して放送や配信がされてきた)、アメリカ以外の国と比べてもさらに不透明な状況が続きそうだ。

 HBO Max作品としては、来年には大ヒット・テレビシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』の前日譚となる『ハウス・オブ・ドラゴン』の配信も予定されている。『ハウス・オブ・ドラゴン』が世界同時配信で見られないなんて状況は想像するだけでも悪夢だが、2022年までとはいわず、一刻も早く「HBO Max問題」が日本でも解決することを願いたい。

■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「集英社新書プラス」「MOVIE WALKER PRESS」「メルカリマガジン」「キネマ旬報」「装苑」「GLOW」などで批評やコラムやインタビュー企画を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)、『日本代表とMr.Children』(ソル・メディア)。最新刊『2010s』(新潮社)発売中。Twitter

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