緊急事態宣言アゲイン 映画館の営業、今回はどうなる?

 また、昨年6月に映画館の営業が再開されて以降、時間の経過とともに劇場によっては運用方針がバラバラとなっていた客席の50%制限が強化されるという話が出ている。さらに、各専門家からは、政府が想定しているとされる「一か月程度」という今回の緊急事態宣言の期間が、とてもじゃないがその程度では収まらないだろうという声や、4都県だけでなく全国での緊急事態宣言の必要性を訴える声も上がっていて、まったく予断を許さない状況だ。400億円超えも射程距離に入っていた『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の最終興収も、下振れ必至だろう。

 今回の緊急事態宣言期間の真っ最中となることが確実な1月23日には、今年最大のヒットになる可能性があった(少なくとも自分は今回の感染爆発がやってくるまではそう予想していた)『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が公開される予定だ。その日、劇場にはどれだけの観客が押し寄せるのか、夜の時間帯の上映と客席の50%を奪われて興行が成り立つのか、そもそも予定通り公開されるのか、あるいは公開日もしくは公開直後にPVODやストリーミングサービスが絡んでくるような可能性もあるのか(先週の記事で書いたように、同作は庵野秀明代表取締役社長のカラーによる自社製作作品なので何があってもおかしくないと思ってる)。一寸先も予測のつかないあの日々が、またやってきてしまった。

■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「集英社新書プラス」「MOVIE WALKER PRESS」「メルカリマガジン」「キネマ旬報」「装苑」「GLOW」などで批評やコラムやインタビュー企画を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)、『日本代表とMr.Children』(ソル・メディア)。最新刊『2010s』(新潮社)発売中。Twitter

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