緊急事態宣言アゲイン 映画館の営業、今回はどうなる?

 明けましておめでとうございます。でも、いきなり映画興行界はまったくおめでたくない事態に見舞われています。

 2021年最初の週末、2日(土)と3日(日)の成績は、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が動員42万5000人、興収6億7800万円をあげて、公開週からの連続首位記録を12週に伸ばした。公開から80日間で動員は2548万4681人、興収346億4211万6000円。しかし、もはやそんなことはどうでもよくなってしまった。

 1月4日の年頭会見で、菅首相は昨年の春に続く緊急事態宣言を東京、神奈川、千葉、埼玉の4都県を対象に再発出する方針を明らかに。政府の今後の段取りとしては、諮問委員会や国会報告を経て7日中に正式決定、8日午前0時から実施される見込みとなっている。本稿を書いているのは東京都の新規感染者数が1591人と発表された6日の午後。正月休みが明けた4日以降の検査数の大半が反映されるのは、緊急事態宣言の会見が予定されている7日から。映画興行に及ぼす影響についてはまだ流動的だが、ウィークリーの連載記事として現時点における展望と問題点を記録しておきたい。

 まず、3日に4都県の知事から国へ緊急事態宣言発出の提言があったタイミングで、池袋のグランドシネマサンシャインは5日以降のチケットのネット販売のタイミングを延期に。翌日、緊急事態宣言の発出が確実になると、都内及び近県の多くの映画館もそれに続いた。映画館や劇場の営業自粛については、小中高の一斉休校やセンター試験の日程変更などの可能性(いずれも明確に否定されている)と合わせて今回の緊急事態宣言が及ぶ範囲の焦点として語られ、4日の時点で昨年春とは異なる運用が示唆されていたが、現状、TOHOシネマズをはじめとする大手シネコンチェーンの多くは、緊急事態宣言が実施される8日以降のチケットの販売を停止している。

 気になるのは、4都県で酒類を提供する飲食店に対して要請される見込みの午後8時までの営業時間短縮と合わせて、同じく午後8時以降は不要不急の外出に対しても自粛が呼び掛けられるという報道だ。昨年春の営業自粛要請とは異なるものの、事実上、映画館も夜の営業ができなくなるのではないだろうか(6日夕方の朝日新聞の記事では「4都県が午後8時以降の不要不急の外出自粛を住民に要請する点を踏まえ、劇場や遊園地などは午後8時の閉場・閉園を求める」とされている)。おそらく、現在8日以降の販売をストップしている映画館の多くも、それを見越しているのだろう。だとしたら、既に報道で触れられている飲食店に対する休業補償と同様に、映画館も補償の対象とすべきなのではないだろうか?

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