『ワンダーウーマン 1984』はクリスマスにぴったり!? 前作から一転、80’sの恋愛映画的な作りに

『ワンダーウーマン 1984』は失恋映画?

 重い過去を乗り切って、ヒーローとして覚醒するさまを表情豊かに演じるガル・ガドットもよいが、やはりクリス・パインの仕上がった“理想の彼氏ムーブ”が素晴らしい。常に彼女に寄り添いながら、さらには自分の死を引きずる彼女に「元気を出して」と、それこそ竹内まりや的なメッセージを伝え、その人生を前進させるのだ。観終わった後に「俺はこんな出来た男になれるだろうか?」と自分に問いたくなった。同じくDCのジョーカー&ハーレイ・クインのカップルとは正反対である(とはいえ、ハーレイの「失恋したら落ち込んでないで、とりあえず工場を爆破してハンバーガーを食べよう」という極論も大事だ)。

 主役カップルの恋模様には泣かされるし、別の竹内まりやの曲が聴こえてきそうなエンディングも心地よい(主役を食わんばかりの大熱演を見せるペドロ・パスカルも必見!)。ざっくりしたファンタジー感も含めて『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990年)系のファンタジーラブコメを観ているような感覚を覚えた。ヒーローアクション映画というより、笑いあり涙ありの、クリスマスに相応しいファンタジー失恋映画である。

■加藤よしき
昼間は会社員、夜は映画ライター。「リアルサウンド」「映画秘宝」本誌やムックに寄稿しています。最近、会社に居場所がありません。Twitter

■公開情報
『ワンダーウーマン 1984』
全国公開中
監督:パティ・ジェンキンス
出演:ガル・ガドット、クリス・パイン、クリスティン・ウィグ、ペドロ・パスカル、ロビン・ライト
配給:ワーナー・ブラザース映画
(c)2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (c) DC Comics

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