『七人の秘書』広瀬アリスが仲間への貢献を果たす 『半沢直樹』を彷彿とさせるセリフも

『七人の秘書』広瀬アリスが貢献を果たす

 それをも見越した上で決して“言い逃れ”できないように本人に自ら疑惑を吐かせるという一枚も二枚も上手のやり方も、粟田口によって痛い目に遭わされた萬だからこそ思いついたものだったのだろう。“最凶”を“青臭い正義感”だと嘲笑されていた側が打ち負かすさまは観ていて気持ちが良かった。

 冒頭のナレーションを務める岩下志麻が ラストに“最強の黒子”として総理大臣秘書役で特別出演を果たし、影の仕事人としてのプライドと意地を壮大なスケールで見せつけてくれていた。

 同じく腐敗した巨大組織に挑んでいく銀行マンが主人公の『半沢直樹』(TBS系)を彷彿させる台詞が出てきたり、中園ミホ作品の『ドクターX』シリーズ(テレビ朝日系)でもお馴染みの勝村政信が結婚詐欺師役で登場したりと最後の最後まで楽しませてくれた。

 “粟田口失脚”という萬への最大の恩返しを成し遂げた“七人の秘書”たちだが、その後も彼女らの関係性や暗躍が続いていくことを予感させてくれるラストに一抹の寂しさもありつつも、安堵感を覚えた。

■楳田 佳香
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで劇場鑑賞映画本数は年間約100本。Twitter

■放送情報
『七人の秘書』
テレビ朝日系にて、毎週木曜21:00~21:54放送
出演:木村文乃、広瀬アリス、菜々緒、シム・ウンギョン、大島優子、室井滋、江口洋介
ゲスト:萬田久子、大和田伸也、木下ほうか、小林隆、杉田かおる、藤本隆宏、とよた真帆、橋爪功、マキタスポーツ、リリー・フランキー、松本若菜、永瀬莉子
脚本:中園ミホ、香坂隆史、林誠人
演出:田村直己(テレビ朝日)ほか
音楽:沢田完
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:大江達樹(テレビ朝日)、 浜田壮瑛(テレビ朝日)、大垣一穂(ザ・ワークス)、角田正子(ザ・ワークス)
制作協力:ザ・ワークス
制作著作:テレビ朝日
(c)テレビ朝日

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