2020年は7作もの映画に出演 萩原みのりが語る、役者としての現在地

萩原みのりが語る、役者としての現在地

「どこかこれまでの集大成にも近い」

――この2作での藤原さん、北村さんとの共演は、萩原さんの中では少し特別なようにも感じます。

萩原:そうですね。今まで彼氏や夫がいる役を演じたことがあまりないんですが、今回は2作とも共通して、誰かと一緒にいる役なんです。相手の役者の方と一緒に作り上げるからこそ生まれるものがすごく多くて、不思議な体験でした。季節くん演じる悠二と匠海くん演じる龍太にすごく助けらました。

――改めて、『アンダードッグ』『佐々木、イン、マイマイン』の現場を振り返ってみていかがですか?

萩原:自分が初めて出演した連続ドラマのクランクアップのときに、ある共演者の方から「いつか振り返ったときに、きっとこの現場ほど頑張れた現場ってなかなかないと思う」ということを言われたんです。それがずっと頭に残っていて。そのときの台本を今でも読み返すんですが、もう文字が読めないくらいに書き込みだらけで。見ていて恥ずかしくなるくらいなんです(笑)。たしかに、ここまでの熱量を持って取り組むことって、頭でそうしているつもりでもなかなかできることじゃないと思っていました。でも、この2作とも自信を持って「絶対におもしろいです」「絶対に映画館で観てください」と言える作品なんです。今年が終わる手前の11月27日にこの2作が上映されることが、私としてはどこかこれまでの集大成にも近くて。そんな作品に自分が関われていることがすごくうれしいし、公開が楽しみです。

劇場版『アンダードッグ』【前編】【後編】(c)2020「アンダードッグ」製作委員会

――2020年の萩原さんはすごく多くの作品に出演されています。萩原さんご自身で、ここ1年で役者として成長したという実感はありますか?

萩原:そう言っていただけるのはすごくうれしいんですけど、まったく実感はないです(笑)。

――ただ、『アンダードッグ』『佐々木、イン、マイマイン』同様に出演作それぞれで経験したものは大きい?

萩原:そうですね。やっぱりいろんな作品に出れば出るほど、自分自身の引き出しが増える感覚はあって、それがすごく楽しいです。役者というお仕事は、いろいろな経験が全てお芝居に活かされることが魅力の一つなのかなと最近ふと思いました。去年より今年の方が経験したものは多いし、来年はさらに多いからもっと楽しくなる……そう思うと、すごくいいお仕事だと思います(笑)。

――2020年の作品の撮影当時を振り返ってみて、具体的にご自身の中でどのような変化を感じますか?

萩原:どんどん不安を口に出せるようになりましたし、監督に相談もしやすくなりました。昔は「そんなこといちいち聞くな」とか「自分の役だろ」とか言われたらどうしようってずっと思っていたから(笑)。最近は、分からなければ聞くし、分かっていることでも分かっている気になっているだけかもしれないから、どんどん監督やスタッフさん、共演者の方々と密にコミュニケーション取るようになりました。その方が、現場も楽しくなるんです。特に去年から今年は、現場での振る舞い方が変わりました。現場で皆さんと一緒に作品を作っているという感覚が強まりました。

――より仕事自体も楽しめるようになったと。

萩原:前向きに現場に行けるようになりました。やっぱり、自分が殻に閉じこもってしまったら、スタッフや監督の方々ともコミュニケーションはできないし、それがそのまま画に映ってしまう。だけど、私が楽しくいろんな方々と会話ができれば、より良いものを映像に残せる。その感覚に、だんだんやみつきになってきている最中です(笑)。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる