浜辺美波×岡田将生の“マミクロ”をまだまだ観ていたい! 『タリオ』最終回が描いた復讐の真意

『タリオ』最終回が描いた復讐の真意

 記憶を失くしているはずの正弘と黒岩という彼女にとって大切な2人が体当たりで教えてくれたのは「正義とは悪を倒すことじゃない。皆を幸せにすることだ」ということ。

 確かにこれまで手掛けてきた復讐代行で、望み通り復讐が完遂されて本当に心から満たされている依頼者はいなかったではないだろうか。それを象徴しているのが、第3話で父親を自殺に追いやったパワハラ社長が逮捕されるニュースを見たまだ幼い娘が言った一言(「あの人もいじめられてるみたい」)だったように思う。

 真実が正弘に「時には誰かを憎まないといけない時もある。許しちゃいけないこともありますよね」とこぼすシーンがあった。それは理不尽や悲劇を起こした加害者張本人を憎むことで、実際には傷を負った人の近くにいながら何も気付けず手を差し伸べられなかった自分自身の無力さや不甲斐なさを紛らわせていると言えなくもないのではないだろうか。

 そのことに気づいたマミクロコンビが今後どんな風にそれぞれの道を歩み、また互いの道が交差していくのか、2人の“その後の物語”に想いを馳せずにいられない。

■楳田 佳香
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで劇場鑑賞映画本数は年間約100本。Twitter

■放送情報
ドラマ10『タリオ 復讐代行の2人』(全7回)
NHK総合、BS4Kにて、毎週金曜22:00〜放送
出演:浜辺美波、岡田将生ほか
制作統括:川田尚広、高橋練、岡本幸江
演出:木村ひさし、山本透
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.jp/p/ts/78YR8PJXJ5/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる