来春までハリウッド映画は公開されない!? 本国で『ナイル殺人事件』『フリー・ガイ』の公開延期が発表

来春までハリウッド映画は公開されない!?

 11月6日17時の時点でまだ日本では正式発表されていないが、昨日未明、アメリカのディズニーは、同社傘下のFOX作品、ケネス・ブラナー監督・主演作品『ナイル殺人事件』とライアン・レイノルズ主演作品『フリー・ガイ』の公開延期を発表した。前者は12月18日日本公開予定、後者は2021年1月8日日本公開予定。両作とも、この冬に日本公開される数少ないハリウッド映画だったわけだが、またしても公開スケジュールから消えてしまう作品が増えてしまったことになる。本国でも新しい公開日については未発表で、FOX作品はディズニーのコントロール下にあるため、新作映画の配信公開に注力している同社の方針に則って、ストリーミングでの公開になる可能性も考えられる。

 これらの判断は、相変わらずアメリカでのコロナウイルスの感染拡大が止まらないことに加えて、ヨーロッパ各国でもここにきて感染者が急増していることを受けてのことだろう。アメリカのエンターテインメント系サイトやビジネス系サイトでは、連日、ディズニー、ライオンズゲート、ソニーなどの大手スタジオのリストラ関連のニュースが報じられている。ここにきて再び広がっているウイルスの猛威が日本にも本格的にやってくるかはまだわからないが、残念ながらエンターテインメント系企業(特に外資)の人員削減の波は確実にやってくるだろう。

■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「集英社新書プラス」「MOVIE WALKER PRESS」「メルカリマガジン」「キネマ旬報」「装苑」「GLOW」などで批評やコラムやインタビュー企画を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)、『日本代表とMr.Children』(ソル・メディア)。最新刊『2010s』(新潮社)発売中。Twitter

■公開情報
『ナイル殺人事件』
12月18日(金)全国ロードショー
出演:ケネス・ブラナー、ガル・ガドット、アーミー・ハマーほか
監督:ケネス・ブラナー
脚本:マイケル・グリーン
製作:リドリー・スコット、マーク・ゴードン、サイモン・キンバーグ、ケネス・ブラナー、ジュディ・ホフランド
製作総指揮: マシュー・ジェンキンス、ジェームズ・プリチャード
原題:Death of the Nile
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)2020 20th Century Studios. All rights reserved
公式サイト:Movies.co.jp/Nile-movie

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