持田将史&板垣瑞生、『エール』に新風をもたらす歯車に 裕一は再び音楽の道へ

持田将史&板垣瑞生、『エール』に新風

 裕一と池田たちとの交流を軸に描かれた第19週だが、こうした個性あふれるキャラクターに囲まれ、裕一はまたかつてのように前を向いて、歌でエールを届けてくれるに違いない。今週は、連続テレビ小説の元となるラジオドラマが制作されるまでを描いたことで、興味深く作品を観ることができたのではないだろうか。さらに追記すると、「とんがり帽子」の歌は第100作目の朝ドラ『なつぞら』でも、戦争孤児の咲太郎(渡邉蒼)と亜矢美(山口智子)を結びつける大切な曲として流されていた。

 こうしてみると、裕一のモデルでもある古関裕而が残した功績がどれほど大きかったのかを実感する。最前線での慰問を経験した山藤太郎(柿澤勇人)が歌う「長崎の鐘」もまた、心の琴線に触れるように深く澄み渡る美しい曲であった。古関の曲は実に多くの人の心に寄り添ってきたことだろう。

 裕一は今、長崎で新たなる一歩を踏み出した。音楽への気持ちを取り戻した裕一は今後の人生をどのように歩んでいくのだろうか。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)~11月28日(土)予定(全120回)
※9月14日(月)より放送再開
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、中村蒼、山崎育三郎、森七菜、岡部大、薬師丸ひろ子ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/

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