『エール』でも活躍! 徳永えり、光石研、相島一之、松尾諭ら、朝ドラ常連俳優に注目

裕一の音楽への思いを支える銀行支店長を演じた相島一之

 裕一が川俣銀行に勤めることになったとき、底抜けに明るい銀行員たちが彼を出迎えた。支店長・落合吾郎を演じていた相島は、朝ドラ常連俳優だ。相島の朝ドラ出演は今作で4作品目。2014年度放送の『花子とアン』(NHK総合)では、主人公・はな(吉高由里子)が教師として就任する阿母尋常小学校の同僚・緑川幾三を演じていた。緑川は男尊女卑の考えを持ち、英語が堪能なはなを気に入らず、はなに嫌味を口にするキャラクターだった。

 一方、今作の吾郎は、大らかな性格で面倒見がよく、音楽の道を諦めきれない裕一を陰ながら応援する。裕一が失意の中にいるときには、まず吾郎が行員たちをまとめ、彼を励ますための行動を起こすのだ。相島演じる吾郎の朗らかな笑顔を見ていると、思わずこちらも励まされてしまう。

 なおSNS上では、『エール』再放送中の副音声で、再放送最後の週を担当することになった相島の語りが「相島一之さんの音声解説、ことばが明瞭に聞こえる」「安心して聞ける」「作品のおかしみが増して好き」と評判に。

裕一が銀行に勤めていたときの同僚を演じていた松尾諭

 川俣銀行の先輩社員・鈴木廉平を演じていた松尾。松尾の朝ドラ出演は今作で4作品目。2010年度放送の『てっぱん』(NHK総合)に出演し、『ひよっこ』では、みね子たちが通学に使う北茨城交通のバスの車掌を演じていた。『わろてんか』では、広瀬アリス演じる秦野リリコとコンビを組む、アコーディオンを奏でる漫才師を演じている。

 朝ドラでひょうきんな役どころを演じてきた松尾の存在感は視聴者の目を引くらしく、今作での出演が決まった際には「また朝ドラ出るのか!」「NHKの常連」との声があがっていた。各作品で茨城弁、大阪弁、福島弁とさまざまな方言を巧みに使い分けながら演じる姿には脱帽する。

 主演の窪田も朝ドラ常連俳優といえるかもしれない。2010年度放送の『ゲゲゲの女房』(NHK総合)ではもう一人の主人公である茂(向井理)のアシスタントとなる倉田圭一を演じ、『花子とアン』では主人公の幼なじみ・木場朝市を演じてきた。また、今後朝ドラの世界観にハマり、朝ドラ常連の顔となることが期待される俳優もいるだろう。裕一の初恋相手を演じた堀田真由は『わろてんか』に出演し、今作が朝ドラ2作目である。2019年に話題を呼んだドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)に出演した若手俳優陣が今作に多数出演していることもあり、次の朝ドラで彼らの顔を再び見る機会があるかもしれない。

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)~11月28日(土)予定(全120回)
※9月14日(月)より放送再開
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、中村蒼、山崎育三郎、森七菜、岡部大、薬師丸ひろ子ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/

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