『異端の鳥』監督が語る、作品に込めた思い 「深いところで心に触れるようなものにしたかった」

『異端の鳥』監督が語る、独自の哲学

「アートというものは本物の感情を喚起させる」

ーーその悪を観察するキャラクターとして主人公の少年が位置付けられています。その少年に、これまで演技未経験のペトル・コトラールを起用した理由は?

マルホウル監督:とにかくストリートでたまたま会ったコトラールに目を惹かれたんだ。それだけだね。一目見たときに、彼を絶対に起用すると心に決めた。完全に非理性的な選択だよね。当然彼はまだ若く、演技経験もなかったから、映画の作り方・撮り方、その意味すらよくわかっていなかった。でも、彼はすごく優秀で勇敢だった。肉体的にもすごく大変な撮影を見事にやってくれた。川で流されるシーンの撮影はスタッフが周りからいなくなってしまって、怖くなって泣いていたこともあった。それでもこうして最後まで主演を務めてくれた。彼のことは大好きだよ。

ーー最後に日本の観客にメッセージを。

マルホウル監督:多くの人がアートとは何かということを語ってきているけれど、僕の結論としてはとてもシンプルで、アートというものは本物の感情を喚起させることができるもの全てだ。映画に限らず、音楽も、本もそう。本作がそういうものになれば嬉しいね。

■公開情報
『異端の鳥』
TOHOシネマズ シャンテほか全国公開中
監督・脚本:ヴァーツラフ・マルホウル
原作:イェジー・コシンスキ『ペインティッド・バード』
出演:ペトル・コトラール、ステラン・スカルスガルド、ハーヴェイ・カイテル、ジュリアン・サンズ、バリー・ペッパー、ウド・キアー
配給:トランスフォーマー
後援:チェコ共和国大使館
日本・チェコ交流100周年記念作品
2018年/チェコ・スロヴァキア・ウクライナ合作/スラヴィック・エスペラント語、ドイツ語ほか/169分/シネスコ/DCP/モノクロ/5.1ch/原題:The Painted Bird/字幕翻訳:岩辺いずみ/R15
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