松井玲奈、二階堂ふみ、森七菜による関内三姉妹の変化 『エール』三者三様の“戦下”

『エール』関内三姉妹の戦時下

 さらに梅はというと、音に輪をかけて幼い頃からの夢を追い続ける。文学を続けることが難しい時代に、キリスト教徒として国から監視されて暮らしながらも新たな執筆活動に燃えていた。監視されていることを知られたために、編集者からは付き合いを絶たれてしまうが、ここでへこたれる梅ではないだろう。東京で出会った五郎(岡部大)を関内家の後継にと、ちゃっかり連れて豊橋へ帰り、さらに自分の夢も追い続ける梅は誰よりもアグレッシブだ。


 3姉妹はこれまでずっとささいな仲違いこそあれ、協力し合って生きてきた。しかし、戦争で環境が変わったことで、自らの立場のために妹に説教をしたりとお互いに対して過干渉気味になりつつある。さらに、いくら夢や才能があったとしても、変わりつつある世の中に対して、「私は私」のままで済まされる状況ではなくなってきている。第16週「不協和音」の最後にはついに裕一(窪田正孝)にも“赤紙“”が届く。音にとって「戦争」に対する意識が変わるときが来るのかもしれない。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)~11月28日(土)予定(全120回)
※9月14日(月)より放送再開
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、中村蒼、山崎育三郎、松井玲奈、奥野瑛太、森七菜、岡部大、薬師丸ひろ子ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/

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