小野花梨、福田組初参加でもたらしたインパクト 『親バカ青春白書』で“台風の目”に

小野花梨、福田組初参加でインパクト

 小比賀さくら(永野芽郁)と父ガタロー(ムロツヨシ)の一風変わった親子関係を描いた『親バカ青春白書』(日本テレビ系)で、主人公親子に劣らず注目を集めたのが、さくらが通う立青大学の同級生たち。なかでもアルバイトに明け暮れる衛藤美咲(小野花梨)は、ガタローと急接近してさくらを焦らせるなど親子の関係に一石を投じた。

 美咲を演じた小野花梨は、2006年に『嫌われ松子の一生』(TBS系)でデビューし、子役としてドラマや映画でキャリアを重ねてきた。小野が注目されたのは、2011年に放送され、映画にもなった『鈴木先生』(テレビ東京系)。同作で小野は、次々と男を乗り換える中学2年生の河辺彩香を熱演した。2015年の『フジコ』(hulu)では、尾野真千子演じる主人公の子ども時代から整形して顔を変えるまでを演じた。連続殺人鬼の心の闇を体現した凄みのある演技は各所から絶賛された。

 若くして代表作を残している小野だが、特筆すべきは、それぞれがその年齢でしかできない名演になっていることだ。2009年の映画『南極料理人』で、南極にいる父・西村(堺雅人)と電話中継をするシーンは、離ればなれになった家族の絆を示す名場面だった。また、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』では不良グループのリーダー“ブリタニー”こと鰤谷を演じた。一見すると普通のガングロギャルだが、実は深刻な事情を抱えたブリタニーの存在は、一歩間違えると懐古ムービーになりかねないストーリーに、一本芯の通った説得力を与えていた。

 実年齢に近い等身大のキャラクターを演じられることは、当たり前のようにも思えるが決してそうではない。小野の場合、同年代の役の振れ幅もバリエーションに富んでおり、ひとつのイメージに固定されていないことも強みだ。『兄友』(MBS/TBS)ではオタク女子、今年になって配信された『湘南純愛組!』(Amazonプライム・ビデオ)ではヤンキー、また『56年目の失恋』(NHK BSプレミアム)では主人公の沙織(中条あやみ)がタイムスリップして出会う18歳の祖母など、まるで印象の異なる役柄を自然に演じ分けている。

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