『エール』再放送の2カ月で深まった世界観 いよいよ再開の第14週は森七菜の魅力が爆発?

『エール』再放送の2カ月で深まった世界観

 さて、いよいよ本放送開始。『おはよう日本』(NHK総合)でも高瀬アナの「いよいよ来週本放送開始ということで、桑子さん、どこからでしたっけ?」という投げかけに、桑子アナが「えっとですね、弟子が来ましたね。あの弟子がどうなるんでしょうか」と返す気合いの入った朝ドラ送りが展開された。本放送開始にあたって、気がかりなのは久しぶりに『エール』を観るという視聴者がストーリーを忘れているのではないかという懸念だ。

 第13週の状況をポイントごとに解説すると、裕一はコロンブスレコードと契約して5年が過ぎ、ご当地ソングや「大阪タイガース」など球団歌を数多く手がけ、安定した作曲生活を送っている。裕一と音の間に生まれた娘・華(田中乃愛)は、やんちゃ盛りの4才に。先述した久志のコロンブスレコードとの契約は、裕一が戦時歌謡の名手になっていく今後の展開に深く関わっていくのだろう。ほかにも、この週では歌手になる夢を裕一に預けた音が、将来レッスン教室を開きたいという考えを裕一に話しており、この言葉も激動の時代に突入していく後半パートに深くリンクしていく。

 そして、第13週のラストに登場した弟子・五郎(岡部大)が、小山家に新風を巻き起こすこととなる。さらに文学賞を受賞した梅(森七菜)も豊橋から上京。音を演じる二階堂ふみは、『NHKウイークリーステラ』(9/18号)での窪田正孝との対談の中で、「梅のかわいい瞬間がたくさんあるので、森七菜ちゃんファンは必見です!」と第14週の見どころを話している。先に試写で観させてもらった筆者としても、二階堂に全く同意であり、この週をきっかけに森七菜の人気はさらに爆発していくのではないかとも予感している。付け加えるのであれば、気持ちと一緒に徐々に変化していく梅の表情、ダイナミックでありながら感受性豊かな五郎のキャラクター性が、注目ポイントである。

 11月27日の最終回まで、およそ2カ月半。日本が戦争へと突き進む後半パートでは、つらく苦しい時代が描かれることとなるが、その先にあるのは光であると今を生きる私たちに教えてくれるだことだろう。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)〜11月28日(土)予定(全120回)
※9月14日より放送再開
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、薬師丸ひろ子、菊池桃子、光石研、中村蒼、山崎育三郎、森山直太朗、佐久本宝、松井玲奈、森七菜、柴咲コウ、風間杜夫、唐沢寿明ほか
制作統括:土屋勝裕
プロデューサー:小西千栄子、小林泰子、土居美希
演出:吉田照幸、松園武大ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/

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