劇場版『Fate』3作連続で初登場1位　コロナ禍の「空気」を読まなくてもいい作品？

　巨大ではあるものの特定のファンダムに向けた『劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」III.spring song』のような作品はもともと「空気を読む」必要がなく、感染予防のために席を間引きされた映画館においても昨年同様の成績を上げることができた。一方で、国民的な人気コンテンツである『ドラえもん』は、まだ映画館に行くのは時期尚早とファミリー層の一部から判断されて、現時点でも伸び悩んでいる。今週末にはディズニー配給のアニメ作品『2分の1の魔法』が公開されるが、この状況が続くようなら厳しい。そして、もし『2分の1の魔法』が苦戦するようだったら、日本でも今後の公開予定作品（特にファミリー向け作品）のディズニープラスでの映画館をスルーした配信公開が現実味を帯びてくる。

■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「装苑」「GLOW」「キネマ旬報」「メルカリマガジン」などで批評やコラムを連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』（新潮社）、『くるりのこと』（新潮社）、『小沢健二の帰還』（岩波書店）、『日本代表とMr.Children』（ソル・メディア）。最新刊『2010s』（新潮社）発売中。Twitter

■公開情報
『劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」III.spring song』
全国公開中
声の出演：杉山紀彰、下屋則子、川澄綾子、植田佳奈、門脇舞以、伊藤美紀、中田譲治、津嘉山正種、浅川悠、稲田徹
キャラクターデザイン：須藤友徳・碇谷敦・田畑壽之
脚本：桧山彬（ufotable）
美術監督：衛藤功二
撮影監督：寺尾優一
3D監督：西脇一樹
色彩設計：松岡美佳
編集：神野学
音楽：梶浦由記
主題歌：Aimer
制作プロデューサー：近藤光
アニメーション制作：ufotable
配給：アニプレックス
(c)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
公式サイト：http://www.fate-sn.com/
公式Twitter：@Fate_SN_Anime