江口のりこVS堺雅人に期待大! 屈指の曲者女優は『半沢直樹』をどこまでかき回す?

江口のりこ、『半沢直樹』をどうかき回す?

 さて、新章に突入した『半沢直樹』では、新たに国土交通大臣に就任した白井亜希子役に。白井が会見で帝国航空の改革を提案し、再建チーム「帝国航空再生タスクフォース」を立ち上げ、債権を保有している銀行に、一律7割の債権放棄を検討していると発表。自力再建できなければ、半沢が務める東京中央銀行は、500億の債権を手放すことになる。半沢はどう立ち向かっていくのか。今回の敵は、伏魔殿と呼ばれる帝国航空の内部、そして対国政という、これまでにない最大の強敵だ。

 白井役のモデルが誰なのかはご想像に任せるとして、これまでの江口は、最初はクールなキャラとして登場するが、大臣ということもあり晴れやかな顔で登場し、「い・ま・じゃ・な・い」という歯が浮くようなギャグを入れてくる愛想の良さが逆に不気味で、確実に怖い存在であることを証明している。これまでの半沢に登場した悪役は、やりすぎるぐらいの顔芸で嫌な奴を強調していたが、江口は静かな怖さであったり、半沢得意の勢いで押し切る話術に対し、「で?」「だから?」と感情論をものともせず正論でシビアな決断を下す、夫婦喧嘩のような怖さが半沢を襲い、半沢の苦戦が予想される。

 また、おそらくラスボスとも言える進政党の重鎮・箕部啓治を演じる柄本明と言えば、江口が所属する劇団の主催であり、江口の師匠。前半は半沢VS歌舞伎だったものが、半沢VS東京乾電池という、ただでは転ばない下北沢演劇の成り上がり劇団との対決が興味深い。ただ、もしかすると、嫌味な存在だが、正当な理由があれば半沢の援軍になることも考えられる。

 すでに柄本はドラマ『銀と金』(テレビ東京系)でも見せた顔芸を見せていたが、江口のポーカーフェイスがどこまで今後崩れるのかも見もの。後編の視聴率は、江口の演技がいかに視聴者のイライラをピークまで達せるか、そこにかかっているだろう。本日放送の第5話は注目の回になりそうだ。

■放送情報
日曜劇場『半沢直樹』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:堺雅人、上戸彩、及川光博、片岡愛之助、賀来賢人、今田美桜、池田成志、山崎銀之丞、土田英生、戸次重幸、井上芳雄、南野陽子、古田新太、井川遥、尾上松也、市川猿之助、北大路欣也(特別出演)、香川照之、江口のりこ、筒井道隆、柄本明
演出:福澤克雄、田中健太、松木彩
原作:池井戸潤『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』(ダイヤモンド社)、『半沢直樹3 ロスジェネの逆襲』『半沢直樹4 銀翼のイカロス』(講談社文庫)
脚本:丑尾健太郎ほか
プロデューサー:伊與田英徳、川嶋龍太郎、青山貴洋
製作著作:TBS
(c)TBS

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