『今日から俺は!!』大ヒットスタートが突きつける真実とは?

『今日から俺は!!』大ヒットスタートが突きつける真実とは?

 先週末の動員ランキングは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う休業期を挟んで、東宝配給の実写新作としては『弥生、三月 -君を愛した30年-』以来、約4ヶ月ぶりの公開作品となった『今日から俺は!!劇場版』が初登場1位となった。驚くのはその成績だ。土日2日間の動員は48万6000人、興収は6億3100万円。初日から3日間の累計では動員60万5000人、興収7億8800万円。この興収は、3週前にリバイバル上映されて3週連続1位を獲得していた『千と千尋の神隠し』の初週成績の約7倍という数字。興行は郊外、地方の劇場が牽引しているとのことだが、言うまでもなく、この数字は感染予防対策が実施された映画館で叩き出されたものだ。

 同じような現象は韓国でも起こっている。映画館の営業再開は日本に先行していたものの、同じく低空飛行が続いていた韓国の映画興行だったが、7月15日に公開されたばかりのヨン・サンホ監督『Peninsula』(原題。半島の意)は、2020年最高のオープニングを記録し、公開5日間で動員180万人を動員。日本でもヒットを記録した『新感染 ファイナル・エクスプレス』から4年後の「半島」を描いた同作は、台湾、マレーシア、シンガポール、ベトナムでも好調なスタートをきって、世界的にもIMAX週末興収の75%を占めるという快挙を成し遂げている。日本公開は2021年1月予定。今から待ち遠しい。

 日本での『今日から俺は!!劇場版』、韓国をはじめとするアジア各国での『Peninsula』、それぞれの大ヒットが意味することは一つ。人は観たい映画があれば、公開初週に映画館に駆けつけるということだ。もちろん、どこの国も映画館の営業再開直後は手探りの状態で、感染予防のための試行錯誤の時間も必要であったのは事実だが、各配給会社、特にメジャー系配給会社は有力作の公開に対して慎重になりすぎていたのではないだろうか?

 新型コロナウイルスの感染拡大が一向に落ち着くことがないアメリカ(それは日本も同様だが……)では、ロサンゼルスを含むカリフォルニア州の映画館の営業休止が長引いていることで、ハリウッド・メジャーの新作の公開はストップしたまま。『ムーラン』も『TENET テネット』も全米公開日は一旦白紙になってしまった。しかし、日本や韓国での今回の結果は、もしかしたら「本格的な営業再開後にいきなり有力作を公開してもそれなりの結果が出せる」という映画界全体の方向性の後押しになるかもしれない。

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