『ハケンの品格』は大泉洋の“ラブコメ”演技を観られる貴重な作品 春子と東海林の恋の行方は?

『ハケンの品格』大泉洋の“ラブコメ”演技

 こうした2人のお互いを気にかけつつも、決定的な恋愛関係には辿り着かず、やきもきさせる関係性は、やはり今回も続いており、本作が大人のラブコメディなのだと感じる。

 大泉は、近年では2018年の映画『恋は雨上がりのように』で、女子高生からの淡い思慕を大人として受け止めるラブストーリーを演じていたし、また2019年のドラマ『ノーサイド・ゲーム』(TBS系)では、妻役の松たか子と共に、テンポのよい口さがない会話を繰り広げていたので、ラブコメディのような雰囲気を味わうこともできた。だが、本作のように、同世代の共演者との先の見えないラブコメディを40代後半で演じる機会というのはありそうでないものだ。

 第1シリーズから続き、視聴者が春子と東海林のキャラクターをある程度知っている中で、こうした楽しいやりとりを見せてくれるのは、ファンとしてもうれしい限りである。第4話の予告編では東海林の「やっぱり好きだ」という意味深なセリフもあった。2人の関係性にこれからも注目したい。

■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。

■放送情報
『ハケンの品格』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜23:00放送
出演:篠原涼子、小泉孝太郎、勝地涼、杉野遥亮、吉谷彩子、山本舞香、中村海人(Travis Japan)、上地雄輔、塚地武雅(ドランクドラゴン)、大泉洋(特別出演)、伊東四朗
脚本:中園ミホほか
演出:佐藤東弥、丸谷俊平
プロデューサー:櫨山裕子、山口雅俊、秋元孝之
チーフプロデューサー:西憲彦
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ

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