X-MEN『ニュー・ミュータンツ』も オンライン開催のサンディエゴ・コミコン、今年の注目は?

オンライン開催のSDCC、今年の注目は?

 SDCCのパネルにおいて一番人気かつ重要なのが、ホールHとよばれる大ホールでのパネルです。そこに入るためには徹夜して並ばないと無理なことが多い。特に土曜日のホールHは、午前中にDC/ワーナー、夕方はMCU:マーベル・スタジオのパネルというゴールドカードなので、丸1日つぶして並ぶ覚悟がいります。

2019年SDCCのホールHの様子(撮影=杉山すぴ豊)

 特に2017年はDC=『ジャスティス・リーグ』、MCU=『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』のお披露目があったので、ここ数年で最も熱いホールHでした。ところが2018年はMCUがホールHのプレゼンをスキップします。理由は『アベンジャーズ/エンドゲーム』について少しでもネタばらしになることを避けるため、発表するものがなかったからです。逆に2019年はDCがスキップ。これはDCの親会社であるワーナーが『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』の方に力をいれていたのと、『ジョーカー』をアメコミ映画として売らないというスタンスだったためSDCCを見送ったと言われています。

 なので、2020年は3年ぶりに、ホールHでDCとMCUが揃うと期待されていました。しかし、前述した通りSDCC自体がオンラインに。そして現状発表されている“オンラインのSDCC”(無観客でパネルを実施し、それを動画配信する形をとるそうです)でもDC映画とMCUのパネルは予定されていません。誤解のないようにいっておくと、これはあくまで“映画”についてであって、DCコミックやマーベル・コミックの方のパネルはいくつか実施されるようだし、“オンラインのSDCC”用の限定グッズは通販されるようなので、“DCとマーベルが参加しない”ということではありません。“DC映画とMCUが参加しない”ということです。

 DC映画については、来年の『The Batman(原題)』『The Suicide Squad(原題)』から始まる新DC映画戦略(なお海外のメディアが使うDCEUという言葉はDC/ワーナーの公式の言葉ではないそうなので、このコラムではDC映画と呼称します)、MCUについてはフェーズ4の詳細が明らかになるだろうと胸を膨らませていたファンにとって残念な話です。ただ、MCUはオンラインになった瞬間SDCCを軽んじたというより、単純に“お見せできるものがない”のかもしれません。新型コロナウイルスで映画の撮影などが遅れているので、準備ができていないということでしょう。

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