趣里、『私の家政夫ナギサさん』のキーパーソンに 多部未華子の妹役として放つ存在感

趣里、『私の家政夫ナギサさん』での存在感

 今年9月で30歳を迎える趣里。新型コロナウイルスの影響で『私の家政夫ナギサさん』の放送開始が伸びたこともあり、今作が20代最後の作品となるかもしれない。これまでの役柄と比べると、唯は少し大人しいキャラクターにも思えるが、気になるのは彼女の職業だ。唯の姉であるメイは、母親(草刈民代)から「お母さんになりたいなんて、くだらないこと言わないで」という言葉を胸に、男性に負けじと働くキャリアウーマン。

 もちろん唯もメイと同じ母親に育てられたはずだが、彼女の職業は“家政婦”である。家政婦も立派な職業の一つだが、前回思わずメイがナギサさんに「それほど仕事ができるのに、なぜ家政夫なんかに?」と言ってしまったように、キャリアを重視する母親やメイからは理解を得がたいはずだ。

 ドラマの人物相関図では、唯と母親ふたりの関係に「疎遠」と書かれている。まるで正反対の姉妹だが、自分とは異なる人生を歩むメイを尊重しているからこそ、唯は彼女をサポートするためにナギサさんを頼ったのではないか。そして、唯自身も姉への劣等感や母との確執など、内に秘めたる感情を抱えているはずだ。台詞だけではなく、表情や佇まいの豊かさで唯一無二の存在感を発揮してきた趣里だからこそ、そんな風に想像してしまう。ともあれ、物語はまだ始まったばかり。あたかも自然に振る舞うキーパーソン、趣里の動きに注目だ。

■苫とり子
フリーライター/1995年、岡山県出身。中学・高校と芸能事務所で演劇・歌のレッスンを受けていた。現在はエンタメ全般のコラムやイベントのレポートやインタビュー記事を執筆している。Twitter

■放送情報
火曜ドラマ『私の家政夫ナギサさん』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜放送
出演:多部未華子、瀬戸康史、眞栄田郷敦、高橋メアリージュン、宮尾俊太郎、平山祐介、水澤紳吾、岡部大(ハナコ)、若月佑美、飯尾和樹(ずん)、夏子、富田靖子、草刈民代、趣里、大森南朋
原作:『家政夫のナギサさん』(四ツ原フリコ著/ソルマーレ編集部)
脚本:徳尾浩司
演出:坪井敏雄、山本剛義
プロデューサー:岩崎愛奈(TBSスパークル)
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/WATANAGI_tbs/

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