『私の家政夫ナギサさん』は“心のビタミン剤”のような存在に 多部未華子の様々な表情にも注目

『私の家政夫ナギサさん』は心のビタミン剤

 さらに本作は、20代後半の女性にとって思わず「あるある」と頷きたくなるメイの環境に加えて、メイが親から浴びた小さな「呪い」にも焦点が当てられる。この「呪い」という表現は一つのキーワードとなっており、物語の序盤で友人の薫(高橋メアリージュン)が何気なく発した言葉にも、意味が込められているように感じられた。女性がまわりから浴びせられる何気ない一言で、心に小さなトゲを抱えることはあるだろう。そんなメイの状況がどう変わっていくのか、ぜひとも放送を見届けてほしい。

 人一倍努力し、時に弱さを見せ、反発してみたり……メイの様々な表情を好演する多部の姿からも元気がもらえるだろう。鑑賞後には「また明日も頑張ろう」と背中を押されるような気持ちになる『私の家政夫ナギサさん』は、まさに心のビタミン剤のようなパワーを秘めていた。仕事や家事、恋愛など目の前のことでいっぱいいっぱいになっている現代の忙しい人々に、ナギサさんは寄り添ってくれるのだ。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
火曜ドラマ『私の家政夫ナギサさん』
TBS系にて、7月7日(火)スタート 毎週火曜22:00〜放送 ※初回15分拡大
出演:多部未華子、瀬戸康史、眞栄田郷敦、高橋メアリージュン、宮尾俊太郎、平山祐介、水澤紳吾、岡部大(ハナコ)、若月佑美、飯尾和樹(ずん)、夏子、富田靖子、草刈民代、趣里、大森南朋
原作:『家政夫のナギサさん』(四ツ原フリコ著/ソルマーレ編集部)
脚本:徳尾浩司
演出:坪井敏雄、山本剛義
プロデューサー:岩崎愛奈(TBSスパークル)
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS

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