松本潤が千葉雄大の弁護を担当 『99.9』木村ひさし演出回は小ネタが満載

『99.9』木村ひさし演出回は小ネタが満載

 谷繁父子、そして三枝。その場にいない人間が秘密を握るというピースのかけたパズルのような事件を解くカギは数字にあった。と言っても数式を駆使した複雑なトリックではなく、謎解きにもユーモアとウィットがにじみ出るのが『99.9』流。深山がひらめいたきっかけは「いとこんち」に現れた客・武田満(やついいちろう)が昔「ブタマン」と呼ばれていたという会話だった。なぜそれが三枝の犯行に結び付くかは本編をご覧いただきたいのだが、「武田満」という名前が「平田満」とかぶるという役柄と実名のシンクロ具合に『99.9』の演出のユニークさが表れているようだった。

 木村ひさし演出回では小ネタがこれでもかと満載されているのだが、第4夜では立花のプロレスネタとキャストの髪型推しが特に際立っていた。新日本プロレスのオカダ・カズチカ本人がマネージャーでもある外道本人を引き連れて「カレーの雨」を降らせるファンイベントに始まり、プロレス技を模した小道具やグッズ、「トランキーロ」、「ゼア!」、「カブロン」など数々の決めゼリフまで、各所に立花のプロレス愛が爆発していた。

 また、朱蓮フーズ元社員のリーゼントヘアやバーのマスター・山本(モロ師岡)のウィッグ、いとこんちでの店主・坂東(池田貴史)とアフロのコミックバンド「エレキングス」、パラリーガル明石(片桐仁)のアフロ・パーマの4連発など、思わず目が行く画づくりに余念がない。放送前のリモート収録によるメッセージでは片桐の髪型に松本がツッコミを入れており、地味に本編に誘導していたのも見逃せないところだ。

 ほかにも榮倉のくしゃみがそのまま収録されるなど、自由な雰囲気で収録された『99.9』。小ネタの応酬とそれらが本筋の事件解決になだれこむ先の読めない展開は、第6話でいよいよ18年前のもう一つの事件にメスを入れることになる。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログTwitter

■放送情報
『99.9-刑事専門弁護士- SEASON I 特別編』
TBS系にて、6月21日(日)21:00~21:54第4夜放送
出演:松本潤、香川照之、榮倉奈々、青木崇高、片桐仁、マギー、渡辺真起子、馬場徹、映美くらら、池田貴史、岸井ゆきの、藤本隆宏、奥田瑛二、岸部一徳
脚本:宇田学
演出:木村ひさし、金子文紀、岡本伸吾
プロデューサー:瀬戸口克陽、佐野亜裕美、東仲恵吾
トリック監修:蒔田光治
主題歌:嵐「Daylight」(ジェイ・ストーム)
製作著作:TBS
(c)TBS

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