林遣都が『教場』『スカーレット』で放った魅力 『世界は3で出来ている』1人3役への期待

林遣都が『教場』『スカーレット』で放つ魅力

 また、林遣都といえば、3月まで放送されていたNHK朝の連続テレビ小説『スカーレット』に出演していたことも記憶に新しい。林が演じた信作は、戸田恵梨香演じる喜美子の幼なじみで、物語の序盤から終盤まで、自身の創作熱に浮かされたようにのめり込んでいく喜美子を横で支えていた。『スカーレット』で林が演じた信作という役柄について、西森氏は続ける。

「『スカーレット』はドラマの中に現代のジェンダー観について気づかせる要素も取り入れられていて、喜美子は絵付師としても陶芸家としても『女性だから』と色眼鏡で見られることも多々ありました。そういうときに信作は、男女関係なく、人間として見るということにブレがなくて、喜美子に何かあっても、同じ立場から物事をみて一緒に怒れるキャラクターだったように思います。だからこそ、喜美子とも友情がずっと続いていたのでしょう。表面的には、ぶっきらぼうだったりと、ある意味“男くさい”キャラクターにも見えますが、その倫理観を信頼できるキャラクターに仕上がっていましたね。劇中では八郎と喜美子の甘い胸キュンシーンも話題になっていましたが、信作と百合子のシーンもそれに引けを取らないくらい素敵に描かれていて話題をさらっていました」

 放送される『世界は3で出来ている』は、『教場』で監督を務めた中江功と、『スカーレット』脚本家の水橋文美江がタッグを組むという、2020年の林遣都のこれまでの活躍が凝縮されたような座組だ。林は、「このお二人との出会いは自分の中での大きな出来事でした」と語っており、1人3役に挑む林遣都に期待が高まる。最後に西森氏は締めくくる。

「リモートドラマは、制限がある中で、スピード感と今までにないことをやっているという新鮮さで注目されてきましたが、そろそろその制限の中でも、元々のドラマが持っている魅力が100%発揮された作品を楽しみにしてくる時期だと思います。『スカーレット』と『教場』と、どちらも評価された作品の作り手と林さんがタッグを組むのも、林さんが1人3役に取り組むことも期待ですが、それが話題性というだけに終わらないと思えるドラマになっていると期待しています」

■放送情報
『世界は3で出来ている』
フジテレビ系にて、6月11日(木)23:00~23:40放送
出演:林遣都
脚本:水橋文美江
プロデュース・演出:中江功
制作著作:フジテレビ
(c)フジテレビ

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