仲間由紀恵演じる「ヤンクミ」はなぜ国民に愛された? 『ごくせん』再放送に寄せて

仲間由紀恵の「ヤンクミ」はなぜ愛された?

 ヤンクミは、クサいセリフであったり、赤いジャージにお下げ髪でメガネという芋スタイルから、戦うときは美しい姿で啖呵をきるベタなギャップが光るキャラクター。そんな役柄を『TRICK』同様に、非現実的な存在感の仲間がやり切るからこそ、楽しく観ていられる。プロットが分かりやすい、勧善懲悪モノであったことも、ヤンクミが多くの人に愛されることを後押しした。

 女優には大きく2つのタイプがある。1つは様々なキャラクターを演じ分けるタイプ。もう1つは自分のイメージに合った役を与えられるタイプ。仲間はその後者で、40代となっても変わらず徹底したイメージ作りが、女優としての強みだと感じる。そして長年愛され続けているのは、やはり『TRICK』と『ごくせん』での親しみある役が、視聴者との距離を近づけたからであろう。

 『ごくせん』のような過去の名作、女優たちのターニングポイントとなる作品が、通常のドラマ枠で放送される今は、ある意味貴重な機会だ。仲間の原点にして頂点とも言える本作は、仲間以外にも、18年前の松本潤や小栗旬の活躍、密かにクラスメイト役として出演していた松山ケンイチの存在など、ドラマファンとしてお宝発掘のような楽しみもできる作品。ぜひこの再放送で、改めて本作の新たな魅力を探してみてはいかがだろうか。

■放送情報
『ごくせん 2002 特別編』
日本テレビ系にて、6月3日(水)、6月10日(水)22:00〜23:00放送
※第3話以降に関しては、詳細が決まり次第発表
出演:仲間由紀恵、松本潤、小栗旬、石垣佑磨、成宮寛貴、生瀬勝久、宇津井健、沢村一樹、伊東美咲、松山ケンイチ、上地雄輔
原作:森本梢子(集英社『YOU』連載)
脚本: 江頭美智留
音楽:大島ミチル
主題歌:V6「Feel your breeze」(avex trax)
プロデュース:加藤正俊
演出:佐藤東弥、大谷太郎
(c)日本テレビ

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