『エール』中村蒼、自身と“真逆”の鉄男を熱演 入山法子との切ない恋物語に終止符

『エール』鉄男と希穂子の恋に終止符

 結果、「椿姫」のヴィオレッタ役を音は射止めることに。東京で暮らし始めてから長い間、日の目を見なかった裕一と音は互いの奮闘を讃えるように、しっかりと抱き合った。

 音楽への情熱はあるものの、純粋さ故に“何か”が足りなかった裕一と音。それは、どちらも歌詞に描かれた想いや願いを理解することではないだろうか。生まれ育った環境や性格は違えど、少しだけ世間知らずな一面が共通している2人に、早稲田大学応援部団長・田中(三浦貴大)や環、希穂子など、2週続けて様々な人物がヒントを渡した。

 そしてもう一人、重要だったのが鉄男の存在だ。幼い頃にエールを送ってくれた裕一に、これまで何度も「夢を諦めるな」と背中を押し続けた鉄男。歌詞を提供して裕一がレコードを発売するきっかけを作っただけではなく、自身の経験を通して音に誰かを愛する気持ちを教えた。これからも物語に欠かせない人物として、活躍してくれるだろう。彼の恋は残念ながら散ってしまったが、物語の終盤、道をふり返った希穂子の表情は優しく、鉄男の未来を願っているように見えた。

■苫とり子
フリーライター/1995年、岡山県出身。中学・高校と芸能事務所で演劇・歌のレッスンを受けていた。現在はエンタメ全般のコラムやイベントのレポートやインタビュー記事を執筆している。Twitter

■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)〜9月26日(土)
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、薬師丸ひろ子、菊池桃子、光石研、中村蒼、山崎育三郎、森山直太朗、佐久本宝、松井玲奈、森七菜、柴咲コウ、風間杜夫、唐沢寿明ほか
制作統括:土屋勝裕
プロデューサー:小西千栄子、小林泰子、土居美希
演出:吉田照幸、松園武大ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/

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