5週ぶりランキング発表も夜明けはまだ先 命運を担うのは、米国も日本もワーナーに?

映画興行、命運を担うのはワーナー?

 本来ならば鉄板のフィランチャイズである6月の『ワンダーウーマン 1984』が前作に迫るような大ヒットを飛ばし、その勢いで「完全オリジナル脚本」「非スター映画」という意味で興行的なギャンブル性の高い7月の『TENET テネット』のヒットに結びつけたかったに違いない本国のワーナー・ブラザースだが、結果的に映画興行回復の命運を担うことになってしまったわけだ。

 実は、ワーナー作品が映画興行回復の命運を担っているのは日本も同様だ。これまで本コラムでは3月から8月に公開延期になった『映画ドラえもん のび太の新恐竜』に注目してきたが、現時点で最も早いタイミングで公開日がやってくるメジャー大作は、7月3日公開のワーナーのローカル・プロダクション作品『るろうに剣心 最終章 The Final』。2014年9月に公開された『るろうに剣心 伝説の最期編』以来、約6年ぶり、シリーズ4作目となる同作だが、続いて8月7日にはその後編の『るろうに剣心 最終章 The Beginning』の公開も控えている(「The Final」が前編で「The Beginning」が後編というのもなかなか紛らわしいが)。当然、現在はマスコミ試写も稼働しておらず、作品の仕上がりは未知数だが、今のところ公開日に変更がないことから、日本で『TENET テネット』の役割を担うのは『るろうに剣心 最終章 The Final』ということになる。『TENET テネット』の関係者も、『るろうに剣心 最終章 The Final』の関係者も、公開が最終的に決定するまでは眠れない夜を過ごすことになるだろう。

■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「装苑」「GLOW」「メルカリマガジン」などで対談や批評やコラムを連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)、『日本代表とMr.Children』(ソル・メディア)。最新刊『2010s』(新潮社)発売中。Twitter

■公開情報
『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』
『るろうに剣心 最終章 The Final』7月3日(金)全国ロードショー
『るろうに剣心 最終章 The Beginning』8月7日(金)全国ロードショー
出演:佐藤健、武井咲、新田真剣佑、青木崇高、蒼井優、伊勢谷友介、土屋太鳳、三浦涼介、音尾琢真、鶴見辰吾、中原丈雄、北村一輝、有村架純、江口洋介
監督:大友啓史
音楽:佐藤直紀
主題歌:ONE OK ROCK
原作:和月伸宏『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』(集英社ジャンプ コミックス刊)
製作:映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会
制作プロダクション・配給:ワーナー・ブラザース映画
(c)和月伸宏/集英社 (c)2020映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会
公式サイト:http://rurouni-kenshin.jp
公式Twitter:https://twitter.com/ruroken_movie
公式Instagram:https://www.instagram.com/ruroken_movie/

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