千葉雄大と伊藤沙莉の魅力が最大限に 最終回を前に『いいね!光源氏くん』制作統括に聞く

『いいね!光源氏くん』制作統括に聞く

撮影後半の千葉と伊藤は親友のような雰囲気に

――改めて千葉さんと伊藤さんに、今のおふたりの役者としての勢いは感じましたか?

管原:感じました。千葉さんはこれまで明るい学園モノもやってきたでしょうけど、光源氏というそれにも増してとても大きな役を背負ってくれました。「こういう光源氏っていいな」と思えるのは、役者としての幅があるからだと思います。やはりこの人はいい役者になっていくと感じました。伊藤さんは、もともとうまいのは分かっていましたが、どちらかというと今までは脇に回る役どころが多かった。今回、前面に出たことで、より彼女に親近感が湧いて、もっともっと彼女を見たいという気持ちになった人は多いんじゃないでしょうか。

――相性もいいですね。

管原:ふたりとも思い切りこの世界観を楽しんでいる感じが出ています。中途半端じゃない。撮影後半の現場でのおふたりは、同級生のような、親友のような感じになっていました。何が好きだとか、色々なことを楽しそうに話してましたし、ノリで一緒に踊り合っていることもありました(笑)。キャスト全体の雰囲気も良かったです。

――ほかのメインキャストというと、中将役の桐山漣さんは漫画からそのまま抜け出てきたようです。

管原:中将は光源氏とは違うタイプのイケメンです。桐山さんに関しては、『これは経費で落ちません!』でもキャスティングさせていただきましたが、独特のオーラのある役者さんだなと思っていました。女性にも人気がありますし、彼をハメたら面白いんじゃないかと思いましたが、想像以上でした。

ファンタジーだからこそ、平安貴族の佇まいはきっちりと

――和歌とSNS、中将とホストなど、平安時代と現代の掛け合わせがユニークです。

管原:平安時代の考え方とかしきたり、所作といったことを僕らもちゃんとわかっていなかったので、まずはちゃんと勉強しようとなりました。よく大河ドラマの芸能指導なんかもされている友吉鶴心さんを中心に、キャストもスタッフも、当時の人々のものの考え方だったり、色々なことを学びました。たとえ現代の空間にいようとも、平安貴族としての佇まいは貫こうと。ちゃんと重心を低くして歩いたりと、千葉さんも桐山さんも頑張ってくれました。中将がホストになるという点については、原作のえすとえむ先生のセンスの良さですよね。平安貴族風のホストがいたらどうなるんだろうと読んでいて笑ってしまいました。

――和歌とSNSはとても合いますね。

管原:これもえすとえむ先生が話されていましたが、現代人はSNSで色々呟いているけれど、和歌はそれと似ているんじゃないかと。平安も今も、みんな自分を表現したいんですね。

柔らかな色合いでまとめた世界観

――光源氏と中将の衣装もステキですが、沙織や同僚たちなど作品全体の衣装が温かな色合いで統一されていて、世界観を支えています。

管原:演出家がこだわった部分です。23時台の作品ということもあり、あまりかしこまって観るというテイストではなく、観てほんわかできる感じにしたいと。なので演出のほうから衣装も全体を柔らかい色合いでまとめるようにお願いしています。小物や美術についても同様ですね。

――すべてを温かい感じで。

管原:今回の作品に関しては、「よるドラ」枠としての尖る意味合いが、これまでとは異なっているというか。柔らかさで突き抜けるという意味での尖り方になりました。

――世界観という意味では、原作に比べると職場でのシーンが多いです。

管原:ドラマの特性として、光がいないときのヒロイン沙織を表現するためには、職場が必要だと感じました。現代のひとつの象徴というか、光は働いていないけれど、沙織はちゃんと働きながら地味に毎日暮らしている。そこは沙織の基盤として必要だろうと。それから時には平安貴族ではない普通の人たち、同僚たちと話をすることで、平安貴族との会話の面白さをより発見できるのではと考えました。

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