筧美和子の振れ幅に、瀧本美織の支え 『ピーナッツバターサンドウィッチ』に集った女優たち

『ピナバタ』に集った女優たち

 堀田茜はモデルやバラエティ番組での活躍もあり、マルチな才能をこれまで開花させてきた。もともと女優としての活動もあったものだが、それが近年は活発化。現状、メインキャストを務めた映画『キスカム!~COME ON,KISS ME AGAIN! ~』が公開延期となっているところだが、これが公開されることは彼女にとって、さらに女優活動を活性化させる大きな一助となるように思える。映画の公開延期やドラマの放送延期のみならず、そもそも撮影なども延期となっている環境下、早く次なるステップに進む機会が訪れることを願うばかりだ。

 そして瀧本美織といえば、ここまでに述べてきたメンバーの中でも最もキャリアが長く、豊富である。2010年版の映画『彼岸島』で役者としての活動をスタートさせ、連続テレビ小説『てっぱん』(2010年〜2011年/NHK総合)では“朝ドラヒロイン”を経験。『美男ですね』(2011年/TBS系)では民放の連ドラに初出演にして主演を務め、順風満帆な女優道を歩みはじめた。 宮崎駿によるスタジオジブリのアニメーション『風立ちぬ』(2013年)で演じたヒロインもハマリ役で、あの儚く響く声は、いまだにこの耳に残っている。彼女は声だけでも十分にキャラクターを表現できる演じ手なのだ。ところが、以降も出演作は絶えないものの、こういった、作品を背負って立つような役どころが少なくなってきているように思える。今作『ピーナッツバターサンドウィッチ』では、後輩女優たちを支えるポジションを全うした彼女だが、ぜひともまた、映画などで“作品の顔”を演じる姿が見たいものだ。

 すでに放送は終了してしまった『ピーナッツバターサンドウィッチ』だが、このようにさまざまなタイプの女優が顔を揃えていた。彼女ら演じる女性たちの“恋のゆくえ”が気になる作品だったが、個人的には彼女ら自身の、“女優たちのゆくえ”が非常に気になるところである。

■折田侑駿
1990年生まれ。文筆家。主な守備範囲は、映画、演劇、俳優、服飾、酒場など。最も好きな監督は増村保造。Twitter

■放送情報
『ピーナッツバターサンドウィッチ』
出演:矢作穂香、伊藤健太郎、伊藤修子、堀田茜、瀧本美織、筧美和子、Niki、奥野壮(O-AOX)、佐藤流司、吉田仁人(M!LK)、濱正悟、濱尾ノリタカ、一ノ瀬竜、忍成修吾
原作:ミツコ『ピーナッツバターサンドウィッチ』(講談社『with online』連載中)
総監修:スミス
監督:椿本慶次郎、山岸一行
脚本:伊達さん、下田悠子
制作:ソケット
製作:「ピーナッツバターサンドウィッチ」製作委員会・MBS
(c)「ピーナッツバターサンドウィッチ」製作委員会・MBS (c)ミツコ/講談社
公式サイト:https://www.mbs.jp/pbs_drama/

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