映画館「再開」と映画興行「回復」の間に立ちはだかる、高い壁

 経済優先と人命優先、自分はどちらが正しいのかをジャッジできる立場ではない。そもそも、経済も人の生死を大きく左右するし、外出禁止令の延長がどれだけの人命を救うことになるかは誰にもわからない。ただ、新型コロナウイルス感染拡大以降、日本ではここまで多くの政治的失策があったわけだが、少なくとも休業要請緩和の唯一の基準は、各都道府県の感染状況となっている。現在のアメリカの映画館再開をめぐる混乱を見ていると、そのことだけはまだマシに思えてくる。

■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「装苑」「GLOW」「メルカリマガジン」などで対談や批評やコラムを連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)、『日本代表とMr.Children』(ソル・メディア)。最新刊『2010s』(新潮社)発売中。Twitter

■公開情報
『TENET テネット』
9月18日(金)公開
監督:クリストファー・ノーラン
製作総指揮:トーマス・ハイスリップ
製作:エマ・トーマス 
脚本:クリストファー・ノーラン
配給:ワーナー・ブラザース映画
(c)2020 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved
公式サイト:http://tenet-movie.jp

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