『野ブタ。』は亀梨和也×山下智久だけじゃない 若葉竜也らクラスメイトの活躍を追う

 最近は若手俳優戦国時代とあって、学園ドラマから次々とブレイク俳優が生まれることが常ではあるが、『野ブタ。』が放送された2005年当時はあまりそうした流れがなかったと記憶している。実際に『野ブタ。』きっかけで大ブレイクを果たしたのは堀北と戸田の2人を除いてはほとんどおらず、クラスメイトを演じた俳優たちの大半はすっかり見かけなくなってしまった。前述の若葉のようにコンスタントに出演作がつづいている大東駿介(『野ブタ。』当時は“大東俊介”名義だった)であったり、すっかり名脇役としてのイメージが板についた石井智也や山根和馬らが、現在も活躍する『野ブタ。』出身俳優の代表格ではないだろうか。

 そしてもう1人、第5話の終盤で信子に近付く蒼井かすみ役を演じた柊瑠美の存在を忘れてはなるまい。子役時代に出演したNHKの連続テレビ小説『すずらん』で注目され、その2年後にあの『千と千尋の神隠し』の千尋の声を担当して圧倒的な知名度を獲得。現在もドラマを中心に活動しているものの、実写作品ではなかなか代表作と呼べる作品に恵まれていない柊。けれどもこの『野ブタ。』では、ドラマ終盤の重要なキャラクターとして印象に残る演技を見せてくれる。放送から15年を経たこの再放送をきっかけに、現在も活動している『野ブタ。』出身俳優たちが改めて注目を集めることになったら嬉しいかぎりだ。

■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
『野ブタ。をプロデュース』特別編
日本テレビ系にて放送
第6話:5月16日(土)22:00〜22:54
出演:亀梨和也、山下智久、堀北真希、戸田恵梨香ほか
脚本 : 木皿泉
原作 : 『野ブタ。をプロデュース』白岩玄(河出書房新社)
音楽 : 池頼広
チーフプロデューサー : 池田健司
プロデューサー : 河野英裕、能勢荘志
演出 : 岩本仁志、北川敬一、佐久間紀佳
制作協力 : トータルメディアコミュニケーション
制作著作 : 日本テレビ
(c)日本テレビ

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