『美食探偵』中村倫也×小池栄子は“ジェダイとシス”の関係? 小芝風花の明るさが物語の鍵に

 探偵・明智五郎vs.殺人鬼・“マグダラのマリア”という『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系)の構図が明確になった第2話。人物紹介的な第1話を経て、第2話では実際にマリアが仕掛ける殺人事件が動き出す。物語に深みが増すのは、明智とマリアを結ぶ「vs.」の意味合いが「敵」でもありつつ、「愛」にもなり得てしまう危険性を孕んでいることだ。明智とマリアがともに相手を意識しながら進む物語は、どこへ終着するか予想ができないハラハラするドラマ展開を生んでいる。

 第1話の後半で発生したホテルでのカップル毒殺事件。明智は捜査を頼まれたわけではないが、たまたまその場に居合わせたこともあり犯人を追うことに。もちろん、宿泊者リストのなかに「Mary Magdalene(マグダラのマリア)」という名前を見つけたことも大きな動機になっていたはずだ。

 犯行に使われたシアン化合物は強烈な毒物の味をしており、そのまま食べ物に混入させても異変に気づいて吐き出してしまう。そうさせないために犯人はどうしたのか。明智はその“味隠し”の抜け道が“熱々の料理”にあることに勘づき、犯行に使用されたのが「リンゴジャム」であると推理。

 さらに、上遠野警部(北村有起哉)が真犯人として追う、殺された男に二股をかけられていた女性・茜(志田未来)が青森のリンゴ農園の娘であることを知り、その裏でマリアが手を引いていることも見据えて明智と苺(小芝風花)、親友の桃子(富田望生)の一行は青森へ。事件の真相に迫っていくと、茜もぽつりぽつりと犯行に至った経緯を話し出す。大学進学のため青森から東京に行った恋人がそこですぐに新しい女性を作ってしまったこと。茜が送ったリンゴジャムが、その浮気相手に使われてしまっていたこと。その裏切りに傷ついて殺意を覚えたときに、マリアが手を差し伸べたこと……。リンゴ農園の祖父と孫を演じた渡辺哲と志田未来がともに見せた涙、深い思いやりが心を震わせる展開でもあった。

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