『デジモン:』これまで描かれたのは前日譚? デジタルワールドではオリジナルな展開に注目

『デジモン:』デジタルワールドへ

 第2話にかけて、映画『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』を想起させるミサイルの発射とオメガモンの登場と既存のファンを意識した構成が敷かれ、はっきり言ってしまうと新規ファンにとっては多少置いてけぼりの展開であることは否めず、困惑する場面が多かったのではないか。

 筆者も第2話にしてオメガモンの登場は飛ばしすぎではないかと若干不安になっていたが、第3話でようやくこれまでのストーリーが「前日譚」であることが示された。初代のデジモンでも前日譚としての劇場版があったように、本作でも冒険が始まる前の序章として時系列を逆にした形で『ぼくらのウォーゲーム!』のクライマックスを差し込むことで、視聴者に何が起こっているだろうと疑問を抱かせつつ、以後のストーリーへの期待感を抱かせてくれている。おそらくこの前日譚として描かれた第1話〜3話は、物語の重要な伏線となっていくことが予想される。ここで抱いた疑問の数々は、後のストーリーをもって明かされてくるのだろうと思われる。

 第3話のラストでも太一とアグモンがデジタルワールドで落ち合うシーンは『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』のシーンを想起させるなど、これまでは過去作とのつながりに終始していたが、第4話以降は独自のストーリーが展開されていくのではないだろうか。

 ここに来てようやくデジタルワールドへと足を踏み入れた太一たち。いよいよ選ばれし子供達による冒険活劇が幕を開けようとしている。デジタルワールドでの活躍を楽しみに待ちたい。

■川崎龍也
音楽を中心に幅広く執筆しているフリーライター。YouTubeを観ることが日課です。Twitter:@ryuya_s04

■放送情報
『デジモンアドベンチャー:』
フジテレビほかにて、毎週日曜9:00~9:30放送
声の出演:三瓶由布子、浪川大輔、白石涼子、小林由美子、高野麻里佳、草尾毅、潘めぐみ、和多田美咲、坂本千夏、山口眞弓、重松花鳥、櫻井孝宏、山田きのこ、竹内順子、松本美和、園崎未恵
ナレーション:野沢雅子
原案: 本郷あきよし
プロデューサー:江花松樹(フジテレビ)、佐川直子(読売広告社)、櫻田博之(東映アニメーション)、高見暁(東映アニメーション)
シリーズ構成:冨岡淳広
音楽:佐橋俊彦
美術設定:天田俊貴
美術監督:木下了香
色彩設計:竹澤聡
キャラクターデザイン:中鶴勝祥、浅沼昭弘
シリーズディレクター:三塚雅人
制作:フジテレビ・読売広告社・東映アニメーション
(c)本郷あきよし・フジテレビ・東映アニメーション

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アニメシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる