竹内涼真が語る、『テセウスの船』撮影の日々 「出口が見えない時はとりあえずがむしゃらに」

竹内涼真、『テセウスの船』ラストの手応え

「最終回の僕の気持ちにエンジンがかかった」

――主人公としてたくさん登場人物と接する役柄だったと思いますが、共演者との特に印象的だったシーンはありますか。

竹内:ずっとお会いしたかったユースケ・サンタマリアさんとも初めてご一緒して。ユースケさんが、本番に何を言い出すかわからないっていうドキドキ感が、すごく楽しかったです(笑)。(ユースケ演じる金丸は)第3話で死んじゃいましたけど、気持ちが合って、いろんなお話をさせていただきました。

――父親役の鈴木さんとは物語の重要展開で共演するシーンが多かったと思います。

竹内:(鈴木)亮平さんにはすごく助けられました。心は気持ちが先行する役なので、どうしても前のめりになりすぎちゃう時があったんですけど、亮平さんが一歩引いて見てくれて。ミステリーは後々の展開に影響することもあるので。亮平さんとも相談しながら作り上げた部分もあるし、亮平さんが言う文吾さんのセリフは、田村心にすごく響きました。

――振り返って特に一番印象に残っているシーンはありますか。

竹内:第3話で「あなたが父親だ」と打ち明けるシーンは、本番にいくまでに2時間以上かかったんです。でも、気持ちでぶつかってみたら、結果あのシーンができて。撮影中は本当のお父さんだと思っていましたね。

――家族との撮影のシーンはどんな雰囲気でしたか。

竹内:撮影しているとどうしても過去と現代がフラッシュバックするので、お母さん(和子/榮倉奈々)が現代ではあれだけ苦しんでいたのに、過去では笑っていたり、2つの人生を知っているので、些細なセリフや表情でもグッときちゃうんです。あと、家族の(番家)天嵩くんと(白鳥)玉季ちゃんの演技で、最終回の僕の気持ちにエンジンがかかったといっても過言ではなくて、2人の表情や演技にも、注目してもらいたいです。

「僕はすごく好きなラスト」

――竹内さんから見て、心さんはどういう存在?

竹内:不器用だし、物事の伝え方や、やっていることが正解なのかはわからないけど、彼が発する言葉や行動には人を動かす力があると思うんです。それくらい「家族を守りたい」っていう気持ちが誰よりも強い人間で、その諦めない気持ちを一番大事にして演じました。

――そういう心さんを演じてきて、竹内さん自身に響いたことは?

竹内:出口が見えない時は、とりあえずがむしゃらにやったほうがいいんだなって(笑)。

――(笑)。クランクアップを迎えて、やり切ったという感じでしょうか?

竹内:本当にきつかったです。終わってスッキリしたなという感覚もあります(笑)。視聴者の方は結末が気になっていると思いますが、第1話から積み重ねてきたものがちゃんと完結する感じがあって、僕はすごく好きなラストでした。

――今作を経て、改めて見えた課題は?

竹内:気づかされたこともたくさんあるし、現場をやりながら思ったこともあって。“これが課題”というよりは、課題はそれぞれの作品の中で見つけることなのかなと思いました。
あとは、準備が大事ということですね。

――最後に、竹内さんにとって『テセウスの船』はどんな作品になりましたか?

竹内:自分の気持ちなのか、役の気持ちなのかがわからなくなるほど、ものすごい熱量で演じられた作品です。あとは観てくださる方の声がどんどん広がって、ひとつの作品として完成するんだと改めて感じました。それも含めて『テセウスの船』が自分の中ですごく好きな作品になったので、よかったなと思っています。

■放送情報
日曜劇場『テセウスの船』
TBS系にて、3月22日(日)21:00~放送(25分拡大スペシャル)
出演:竹内涼真、榮倉奈々、安藤政信、貫地谷しほり、芦名星、竜星涼、せいや(霜降り明星)、今野浩喜、白鳥玉季、番家天嵩、上野樹里(特別出演)、ユースケ・サンタマリア、笹野高史、六平直政、麻生祐未、鈴木亮平
原作:東元俊哉『テセウスの船』(講談社モーニング刊)
脚本:高橋麻紀
演出:石井康晴、松木彩、山室大輔
プロデューサー:渡辺良介、八木亜未
製作:大映テレビ、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/theseusnofune/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる