春休み興行に影を落とすコロナウイルスへの懸念 注目される『映画ドラえもん』の成り行き

 先週末の映画動員ランキングは、『パラサイト 半地下の家族』が土日2日間で動員20万4000人、興収2億9400万円をあげて2週連続で1位。2月24日(月・祝)までの累計は動員242万人、興収33億円で、予想通りアカデミー賞受賞を経てあっという間に2005年の『私の頭の中の消しゴム』の記録を更新し、日本国内における韓国映画歴代興収ナンバーワン作品となった。週末2日間の前週との興収比は79%。公開7週目ということを考えると順当な漸減にも見えるが、コロナウイルスへの懸念がなければ前週比100%近い推移もあり得たのではないかと推測する。

 それを示唆しているのは、2位に初登場した『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』の成績だ。土日2日間の動員は14万3000人、興収は1億9700万円。この成績は、最終興収19.6億円を記録した前作『スマホを落としただけなのに』の公開初週週末との興収比84.2%。シリーズ展開の必然からメインロールの変更はあったものの、公開規模、スタッフなど基本的な座組は前作を踏襲している本作。前作は初速型ではなくロングヒット型の興行だったが、そのタイプのヒット作の続編は、最終興収では前作には及ばないとしても、初速では前作を超えるもの。オープニング4日間で動員26万9000人、興収3億6000万円という成績は十分にヒットと呼べるものだが、やはりコロナウイルスへの懸念が集客に及ぼした影響は少なからずあったのではないか。

 一般向け試写やプロモーション来日や初日舞台挨拶などのイベントの中止は相次いでいるものの、現時点(2月27日正午)で日本各地のシネコンや映画館が営業休止になるなどの事態は起こっていない。しかし、先々週よりも先週、先週よりも今週と、コロナウイルスへの懸念の影響は国内での感染の拡大を受けて映画興行にもより濃い影を落とすようになっている。昨日(2月26日)、新型コロナウイルス感染症対策本部で、安倍首相は今後2週間の全国的なスポーツや文化イベントの中止や延期、規模縮小を要請した。しかし、国外における感染の広がり方とスピード、及び国内におけるこれまでの国の施策の不備をふまえれば、2週間後に現在の事態が収まっているとはとても思えない。

 映画が「全国的なスポーツや文化イベント」にあたるかどうかの解釈はひとまずおいておくとして、仮に営業休止になっても損失が補償されないことがはっきりしている中、現状、日本全国のシネコンや映画館は営業を続けていることによって、映画興行界のダメージは致命的なところまでには到っていない。しかし、本格的な春休み興行を控えて、予断を許さない状況であることは間違いない。

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