打倒“大門未知子”!?  松下奈緒、天海祐希ら、1月ドラマで凌ぎを削る女医役たち

1月ドラマで凌ぎを削る女医役たち

たくましさと繊細さの中谷美紀、命に対して強い意志をもった松本穂香

『病室で念仏を唱えないでください』(c)TBS

 『病室で念仏を唱えないでください』(TBS系)で、主人公・松本(伊藤英明)の同僚・三宅涼子を演じる中谷美紀。三宅は目の前の命を救うことに心血を注いでいる。患者が運び込まれるとキリリと変わる表情からは、過酷な救命救急の世界で経験を積んできた背景が伝わってくる。また患者から生きることに否定的な発言をされたときに見せた戸惑いの表情からは、一刻を争う現場で命と対峙してきたからこそ、患者にとって何が正解なのか思い悩む三宅の繊細さが感じられるものでもあった。

『病室で念仏を唱えないでください』(c)TBS

 一方、松本穂香が演じるのは、新人心臓外科医から救命救急に入ることになった児嶋眞白。「目の前の命を助ける救命救急に携わりたい」という思いを感じさせる素直な目が印象的だ。患者を助けるため、意を決して行動する児嶋の表情は凛として魅力的。とはいえ、児嶋には少し抜けた部分もあるため、ほのぼのとしたシーンでの演技は可愛らしい。

 松本が僧侶として、医師として葛藤するとき、三宅と児嶋は松本の迷いを解く。三宅は信頼し合う同僚として松本を支え、児嶋は松本の姿勢に感銘を受け、救命救急で本領を発揮し、松本の助けとなる。三宅と児嶋の存在は、僧医である松本の立ち位置を際立たせているのだ。

 個性の強い女医役により医療ドラマのエンタメ性が高まるだけでなく、彼女たちの繊細な演技によって、一人の人間として、仕事や人に向き合うキャラクターの心情が伝わってくる。それぞれの医療ドラマの厚みは、各世代を代表する彼女たちの名演技のおかげなのではないだろうか。

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

■放送情報
『アライブ がん専門医のカルテ』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:松下奈緒、木村佳乃、清原翔、岡崎紗絵、中村俊介、三浦翔平、田辺誠一、藤井隆、木下ほうか、高畑淳子、北大路欣也
脚本:倉光泰子
プロデュース:太田大、有賀聡
演出:高野舞
音楽:眞鍋昭大
(c)フジテレビ

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