『麒麟がくる』吉田鋼太郎劇場再び! 長谷川博己、玉置玲央と発揮された舞台俳優としての真髄

『麒麟がくる』吉田鋼太郎劇場再び!

 「足相撲をしていたり、歯をすすいだり顔を洗っていたりといった遊女屋での描写は、当時の絵巻物や屏風絵からの考証に基づいています。動線を作って見せていきますが、どう振舞うかは吉田さんにある程度、お任せしています。中に男女がいる障子戸を開けて『すまん、続けてくれ』と言うところなんかは、吉田さんのアドリブです(笑)」(藤並)。

 松永に鉄砲作りを頼まれるも、「松永様に作ったら、細川晴元様や将軍様にももっと作らなければならなくなる。ゴタゴタに巻き込まれて仕事はしたくない」と断る伊平次。しかし、光秀と伊平次は地元の昔馴染みで、光秀に助けられた恩があったことが判明。松永は光秀を通して鉄砲を手に入れようと考える。ここで松永が光秀になんとか頼み込もうとするくだりが、伊平次のいた2階から、松永と光秀が階段で降りてくる動きのなかで展開。1カットで撮られたユニークな場面となった。「頭を下げながら、どんどん階段を下っていくというのは面白いね。舞台のようにして1カットでやりましょうと、達者な長谷川さんと吉田さんならではの場面になりました」(藤並)。

 ちなみに、第5回と6回に登場するオリジナルキャラクターの伊平次は、舞台でも活躍する玉置玲央が演じている。大杉漣がプロデュースし、最後の主演作となった映画『教誨師』で映画初出演を果たし、毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞を受賞して一気に注目された人物だ。2016年のNHK大河ドラマ『真田丸』にも織田信忠役で出演しており、舞台で知っていた吉田と大河でも再共演(吉田は『真田丸』で織田信長を演じた)を果たした。

  「吉田劇場」「イケオジ祭り再び」と湧いた第5回、続く第6回のタイトルは『三好長慶襲撃計画』と、京都編が続く。将軍家と奉公衆・三淵、細川藤孝、三好長慶(山路和弘)とその家臣の松永に、三好に支えられて幕府の実権を握っている細川晴元(国広富之)と、光秀とともに、京の都で続く政権争いを感じることになりそうだ。

※制作統括・落合将、演出・藤並英樹のコメントは事前に行われた取材会より。

■望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。

■放送情報
大河ドラマ『麒麟がくる』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送
BSプレミアムにて、毎週日曜18:00〜放送
BS4Kにて、毎週日曜9:00〜放送
主演:長谷川博己
作:池端俊策
語り:市川海老蔵
音楽:ジョン・グラム
制作統括:落合将、藤並英樹
プロデューサー:中野亮平
演出:大原拓、一色隆司、佐々木善春、深川貴志
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/kirin/
公式Twitter:@nhk_kirin

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