J・T・リロイを演じた張本人 サヴァンナ・クヌープに聞く、事件の映画化秘話と現在の心境

J・T・リロイを演じた張本人が当時を語る

「当時のことは後悔しないようにしている」

サヴァンナ・クヌープ

ーー当時J・T・リロイに扮することをあなたに頼んだローラ・アルバートは、2016年にドキュメンタリー映画として『作家、本当のJ・T・リロイ』を発表しました。あの作品にはどのような印象を受けましたか?

クヌープ:作品は観ました。あの作品について何をどう言ったらいいのか、私にはわかりません……。ただ、いろんなストーリーを語る余地をもう少し持たせてもよかったんじゃないかなとは思います。私自身、初めて見る映像もありましたが、映画として何かストーリーを語るというよりは、自己弁護しているような印象を受けました。彼女とは今でも連絡を取っていますが、あの作品について、彼女から私に相談はなかったですし、私も今回の作品について、彼女に連絡はしていません。

ーーローラとの関係自体は今も続いているんですね。

クヌープ:私たちは恋愛関係にあったわけではありませんでしたが、別れた2人が落ち着いた後に少し連絡を取り合うような関係性なんです。お互いにアートの仕事をしていることもあって、時々そういう話もしますが、この作品について私の方から何かを聞いたりすることはありません。ローラがこの作品を観たということは聞いていますが、どうだったかというところまで聞くことはないですね。

ーー当時のことを振り返って、いま現在どのような思いでいますか?

クヌープ:後悔しないようにしています。そして、あの経験から学ぼうとしています。私は18歳から25歳ぐらいまでの間、ああいうことをやっていたわけですが、そのぐらいの年代は「自分は何者なのか」「自分は何をしていきたいのか」ということを探る時期だと思うんです。その時にやったことが、その後の人生に大きな影響を与える。私はその時期に、ある提案をされ、それに「YES」と答えた。それについては後悔していません。それからとてもクレイジーなことが起こったわけですが、そこからたくさんのことを学びました。人生は、いろんな材料があって、それを編集していくものだと思っているんです。当時の出来事は、その材料の一部に過ぎません。自分がこうだと言うことが正しいのか、それとも自分自身が実際にやることが正しいのか、いったいどちらなのでしょう。このストーリーは、そういうことを問いかけているのです。

■公開情報
『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』
2月14日(金)より、シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開
監督・脚本・製作総指揮:ジャスティン・ケリー
原作・脚本・製作総指揮:サヴァンナ・クヌープ
出演:クリステン・スチュワート、ローラ・ダーン、ジム・スタージェス、ダイアン・クルーガー、コートニー・ラヴ
配給:ポニーキャニオン
アメリカ/カラー/108分/スコープ/5.1ch/原題:Jeremiah Terminator LeRoy/字幕翻訳:石田泰子/PG12
(c)2018 Mars Town Film Limited
公式サイト:jtleroy-movie.jp

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