『アライブ』松下奈緒が歩む“その後の人生” 人はいかにして愛する者の死を乗り越えるのか

『アライブ』松下奈緒が歩む“その後”

 また今回のエピソードでは、身近な人の“死”を受け入れるという物語と並行して、将来の“生”への可能性を生かすという物語が描かれたことも触れないわけにはいかない。第2話で登場した若い乳がん患者の佐倉(小川沙良)が、妊孕性温存をするか考えるシーンが描き出されているのだ。「妊孕性温存」というのは、抗がん剤治療によって妊孕性(妊娠する力、と表現するのがわかりやすいだろうか)が低下したり失われたりすることに備え、あらかじめ卵子や卵巣組織などを保存するというもの。もちろんこれは女性に限った話ではなく、男性もがん治療によって生殖機能に影響が出る場合がある。しかしながら自費診療となることから高額な費用がかかり断念するという人もいるのが現状で、現在まだ一部の府県ではあるが公的助成制度が作られるようになりつつあることは、より多くの人に知られるべきことであろう。

■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
『アライブ がん専門医のカルテ』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:松下奈緒、木村佳乃、清原翔、岡崎紗絵、中村俊介、三浦翔平、田辺誠一、藤井隆、木下ほうか、高畑淳子、北大路欣也
脚本:倉光泰子
プロデュース:太田大、有賀聡
演出:髙野舞
音楽:眞鍋昭大
(c)フジテレビ

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