海外と日本、ネットとリアルワールド 『キャッツ』を巡る分断された「二つの世界」

『キャッツ』を巡る分断された「二つの世界」

 つい先日も『天気の子』が「全米で2位」(興収で全米2位になったのは限定拡大公開されたウィークデイの2日間のみ)だとか、「『スター・ウォーズ』を抜く快挙」(公開から約1ヶ月が過ぎた『スカイウォーカーの夜明け』とデイリーの成績を比べる無意味さ)だとか、ミスリードを誘う日本のネットニュースが広く拡散されていて頭を抱えてしまったが、ネットを主な情報源としている人(いや、「ネットを主な情報源としているからこそ」と言うべきか)にもその程度の情報リテラシーしかない人も山のようにいることがよくわかる。情報強者=ネットの情報に通じた人、情報弱者=未だに地上波テレビが情報源の人、という先入観こそまずは疑ってかからなくてはいけない。

■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「MUSICA」「装苑」「GLOW」「Rolling Stone Japan」などで対談や批評やコラムを連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)、『日本代表とMr.Children』(ソル・メディア)。最新刊『2010s』(新潮社)、2020年1月30日発売。Twitter

■公開情報
『キャッツ』
全国公開中
監督:トム・フーパー
脚本:リー・ホール、トム・フーパー
製作総指揮:アンドリュー・ロイド=ウェバー、スティーヴン・スピルバーグ、アンジェラ・モリソン、ジョー・バーン
原作・原案:T・S・エリオット、アンドリュー・ロイド=ウェバー
出演:ジェームズ・コーデン、ジュディ・デンチ、ジェイソン・デルーロ、イドリス・エルバ、ジェニファー・ハドソン、イアン・マッケラン、テイラー・スウィフト、レベル・ウィルソン、フランチェスカ・ヘイワードほか
配給:東宝東和
(c)2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.
公式サイト:https://cats-movie.jp/
公式Twitter:@catsmovie_jp

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