劇団EXILEの9人全員の“謎に包まれた”キャラクターが明らかに 『勇者のために鐘は鳴る』公開ゲネプロをレポート

『勇者のために鐘は鳴る』公開ゲネプロレポ

 本作は、ゲームをしている中の人の本当の人間性や関係性と、ゲームの中のアバターたちのもうひとつのキャラクターと人間模様も複雑に絡み合っているところも見どころのひとつとなっていて、それによって少しほろっとさせられる部分もある。

 しかし、それ以上に、舞台の中では、ゲームのレベル上げや、各クエストのたびに、メンバーが生身の体を使って実際にゲームをしているような場面もあれば、また観客もサイリウムを振って応援するシーンもある。その際、サイリウムを振るのに照れてしまったり、出遅れてしまったりしないようにするための誘導も見事であった。ゲームの設定を説明するときの懇切丁寧さも含め、誰ひとり遅れをとることなく楽しめる配慮が各所で見られて、とても「優しい」世界であると感じた。

 個人的にもっとも楽しくて、また見たいと思わせられたのは、写真で見てもわかるが、「魔王」青柳の全てである。インタビューの青柳もつねにひょうひょうとした笑いを巻き起こしてくれるが、舞台の上でも、ひょうひょうとした表情で、会場をクスクス笑いから大爆笑まで、緩急のついた笑いの渦にいざなってくれた。

 しかし、劇団EXILEは、やはりエンターテイメント集団であるLDHの中の劇団であるということも実感させられる。劇中や、カーテンコールで見せる、歌とダンス、そしてSWAYのラップにも魅了されることは間違いないだろう。リーダーの秋山が「お客様に楽しんでもらえる舞台を作るということを念頭に置いていた」と語るだけに、誰もが笑顔になって劇場を後にすることができる舞台となっていた。

 また、秋山が会見中に語っていたが、舞台中でプレイしているゲームの名前も、「LDH PERFECT YEAR 2020」のSeason1のタイトルと同じ「IGNITION」(点火・点火装置)だった。今年のスタートダッシュとして(これも秋山のインタビューのときに語っていた言葉でもある)ファンの心に火をつけるような舞台になっていたのではないだろうか。

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■公演情報
『勇者のために鐘は鳴る』
公演期間:〈東京〉2020年1月24日〜2月2日
〈大阪〉2020年2月13日〜2月16日
劇場:〈東京〉TBS赤坂ACTシアター
〈大阪〉梅田芸術劇場メインホール
原案プロデュース:劇団EXILE
脚本:畑 雅文
演出:川本 成(時速246億)
演出補:冨田昌則
出演:青柳翔、秋山真太郎、小澤雄太、鈴木伸之、町田啓太、小野塚勇人、SWAY、八木将康、佐藤寛太
ゼネラルプロデューサー:EXILE HIRO
主催:LDH JAPAN/ネルケプランニング

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