『パラサイト』驚異的な高稼働で大ヒット その理由は映画賞効果だけじゃない!?

『パラサイト』大ヒットの理由は!?

 配給の関係者から聞いた話で興味深かったのは、年配の方の中には、劇場の窓口でサブタイトルの『半地下の家族』の方を口にしてチケットを買い求めるお客さんも多いということ。自分のような映画の書き手は「別に英語タイトルと同じ『パラサイト』だけでいいじゃないか」みたいについ思ってしまうのだが、そういう話を聞くと、外国映画にわかりやすいサブタイトルがついていることの重要性がよくわかる。劇場の驚異的な高稼働を受けて、この週末にも多くのシネコンで最大スクリーンへの移行がおこなわれる見込みで、今後は上映館数自体も全国規模で増えていく予定だという。主要賞を含む6部門にノミネートされた米アカデミー賞の発表(2月10日)も控えていてる『パラサイト』。天井の見えない興行は、まだ始まったばかりだ。

■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「MUSICA」「装苑」「GLOW」「Rolling Stone Japan」などで対談や批評やコラムを連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)、『日本代表とMr.Children』(ソル・メディア)。最新刊『2010s』(新潮社)、2020年1月30日発売。Twitter

■公開情報
『パラサイト 半地下の家族』
TOHOシネマズ 日比谷ほかにて公開中
出演:ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン
監督:ポン・ジュノ
撮影:ホン・ギョンピョ
音楽:チョン・ジェイル
提供:『パラサイト半地下の家族』フィルムパートナーズ
配給:ビターズ・エンド
2019年/韓国/132分/2.35:1/英題:Parasite/原題:Gisaengchung/PG-12
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