『俺の話は長い』生田斗真が流した涙の価値 無駄ではなかった“ニートとしての6年間”

『俺の話は長い』生田斗真が流した涙

 つまりは就職という結果に辿りつこうがつくまいが、様々な出会いと自分の主義主張やスタイルを守りつづけた満の“ニートとしての6年間”は無駄ではなかったのだと、彼がクライマックスで橋を渡りながらちょっぴり涙ぐむ姿が示している。このドラマのテーマは、結果ではなくその過程にあったということではないだろうか。いずれにしても、これだけ丁寧に伏線をめぐらしながら日常を組み立てた秀逸な脚本と構成は、ホームドラマとして見ても1人の青年の成長譚として見ても成功といえよう。劇中で何度もオリンピックに見立てながら「4年に1度すき焼きを食べる」という言葉が登場したが、これはこのドラマの続編が“4年に1度”やるという伏線だとしたら実に面白いところだ。

■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
土曜ドラマ『俺の話は長い』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00~22:54放送中
出演:生田斗真、安田顕、小池栄子、清原果耶、原田美枝子
脚本:金子茂樹
演出:中島悟、丸谷俊平
プロデューサー:櫨山裕子、秋元孝之
チーフプロデューサー:池田健史
主題歌:関ジャニ∞「友よ」
創作協力:オフィスクレッシェンド
制作著作:日本テレビ放送網
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/orebana/

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