鈍い出足となった『ルパン三世 THE FIRST』 しかし、日本の3DCG作品の未来は明るい!?

鈍い出足となった『ルパン三世 THE FIRST』 しかし、日本の3DCG作品の未来は明るい!?

 中国に関して驚かされたのは、2010年代に入ってから国内に大型シネコンが普及して急速に映画マーケットが拡大した後、ここにきて2Dアニメそのものに客離れが起こっているという分析(https://tech.ifeng.com/c/7rzvQg9c50T)だ。そういえば、2015年に中国で公開された『STAND BY ME ドラえもん』は、日本国内の興収84億円を超える5.32億元(85.1億円)を記録したことで話題になった。それをふまえれば、中国の観客の3DCG作品好きは今に始まったことではないことがわかるが、近年ハリウッドのアニメーション作品における主流となっている3DCG作品にすっかり観客が慣れ親しんできたことで、その傾向はさらに進行しているようなのだ。

 そう考えると、本稿で先に否定的な見解を述べた東宝の3DCG作品も、中国のマーケットを見据えて、今後のシリーズ展開や技術革新への布石としてとらえるべきなのかもしれない。ちょうど本日(12月12日)、東宝は『STAND BY ME ドラえもん』の続編を来年8月7日に国内で公開することを発表した。その視線の先には、前作の中国公開から5年経ってさらに成熟した中国のマーケットがあることは間違いない。

■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「MUSICA」「装苑」「GLOW」「Rolling Stone Japan」などで対談や批評やコラムを連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)。最新刊『日本代表とMr.Children』(ソル・メディア)。Twitter

■公開情報
『ルパン三世 THE FIRST』
全国東宝系にて公開中
キャスト:栗田貫一、小林清志、浪川大輔、沢城みゆき、山寺宏一、広瀬すず、吉田鋼太郎、藤原竜也
監督・脚本:山崎貴
原作:モンキー・パンチ
音楽:大野雄二
配給:東宝
(c)モンキー・パンチ/2019映画「ルパン三世」製作委員会
公式サイト:lupin-3rd-movie.com

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